口内法、いつものレントゲンの限界

いつものレントゲンは立体像、三次元を平面、二次元に凝縮、ギュっとして見ているので、
近遠心、横方向の変化には強いんですが、
頬舌側、ホホとベロ方向、フイルムに対して前後の方向には弱いんです。
重なって見えるのでね。
それと解剖学的な邪魔、例えば下の奥歯では厚い頬の骨がレントゲンを通し難くするので、
チョッとした変化を見つけられません。
方向を変えて複数枚撮ると、重なった所が見えたりしますが
正確な診断と治療計画には十分とは言えません。

CBCTは垂直歯根破折の診断に有効ですか?

CTであっても根っ子のヒビを見つけるのは難しいんです。
その解像度が十分ではない事も理由のひとつです。
それとビームハードニングやアーチファクト、レントゲンを通さない金属などが画像を崩したりします。
あるいは患者さんの呼吸などの動きによっても影響されてしまいます。
でも口内法よりも、ずっと信頼が高く正確です。
また重なる厚い骨や上顎洞などもよけて、見たい所を切り取って見れます。

アメリカとヨーロッパの歯内療法なども垂直歯根破折を疑われる際には、CBCTを撮る事を推奨しています。

この歯でも口内法だけで判断すれば、根っ子の病気の再根管治療をすべきとなるでしょう。
しかしCBCTから根っ子とは離れた部分に影ができており、垂直歯根破折を示しています。
CBCTの情報が診断と治療計画の決断を変えたのです。