下アゴの大きな神経に
下歯槽神経があります。
治療前に根っこと下歯槽神経との位置、近さを良く知っておくべきです。
診断用の治療前のレントゲンは、必ず必要です。
怪しいと感じたなら、
その三次元的な関係を調べるためにCTを取るべきです。

根管治療の材料によって、
下歯槽神経を傷つけてしまったという報告が沢山あります。
麻痺が起こったり、感覚が鈍くなったり、過敏症、あるいは異常な感覚が起こったりします。
奥歯では特に注意して、適切な操作が必要とされます。
根っこの先との近さを知るには、CTが一番です。

CTの絵です。
真ん中の大きな歯が第一大臼歯、６番です。
下に黒い棒みたいなのが、下歯槽神経です。
そこから周りに、もちろん歯にも神経や血管が出入りしています。
道路の本線ですね。
→が歯との副線でつながっているんです。


根管充填に使われる材料によっては、毒性が強いものがありました。
防腐剤のホルマリンが入っているのとかも。
全く無害な薬液や詰め物はありません。
下顎管って呼んでいますが、完全な管ではないようで
異物である薬や材料は神経を傷つけ、元には戻れない害を起こします。

もし押し出した材料が神経を傷つけたと思われた時には、
CTによって位置や量を調べるべきです。
治療方法については論争が、意見の違いがあります。
とにかく待ってその経過を見ていく、炎症を抑える薬を使う、手術で取り除くなどが考えられます。