次回の約束まで、水酸化カルシウムを詰めておきます。

先っぽまでの器具を通す時やシリンジに入ったものを力を入れて押すと、
外側に押し出してしまうことがあります。
しっかりと先まで詰めようとする程、
押し出す可能性があります。

そうすると化学やけどを起こし、
組織が死んで、タンパク質が変性してしまいます。
数日中に周りの神経が死んでいきます。
これをワーラー変性って言うそうです。

 予防

レンツロって言う器具を使う時には、
逆向きに渦巻きになってるトグロ状の針金、
2〜3ミリは短い所までにする。
シリンジ、注射みたいな容器に入ったものは便利ですが、押し出し易いので慎重に。

で、どうする。

水酸化カルシウムはゆっくりと溶けるので、
高いpHによる影響はしばらくは続きます。
神経へ傷害を起こすので、可能なら48時間内に取り除ければいいのですが。
時には根管から取り除けいたり、洗い流せることもあります。
しかし神経への影響が起こってしまった時には、
出来れば外科的に早く取り除く方が良いでしょう。
ステロイドやビタミン剤に関する有効性は、十分には証明されていません。
神経の麻痺が起こった時には、痛みの専門医に紹介すべきです。