レントゲンで根っ子にカゲがある歯では、神経が皆んな死んでいるんですか?

レントゲンで根っ子の先が黒くなっていて、
温度や電気の刺激に反応しない時に、
神経って全部死んじゃっていると考えがちです。
でも、根っ子の先の神経では、炎症の進み具合がいろいろなんです。
皆んな死んじゃってはいません。
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真ん中が歯を縦に半分にわって見た、顕微鏡の絵です。
ここでは青いのが歯の壁、象牙質で
真ん中のグチュグチュっとしているのが、神経です。
感染して病気になっている神経ですよ。
で銀色のトゲトゲの器具、ファイルを差し込んで引き抜くと
上の方からは、とけちゃってフニャフニャの死んだ神経が、
下の方からは血のついた生きてそうな?ものがくっ付いてきてますね。

上の方では細菌と直接くっ付いていて、激しい急性の炎症反応が起こっています。
その下には慢性の炎症が起こっています。
1番下にある根っ子の先で起こっている炎症は、細菌の出した毒やその反応物によって起こっているのです。
直接、根っ子の先にまで細菌が攻め込んで来る前に反応が始まっています。
細菌の毒や死んだ細胞なんかが、血管などによって根っ子の先にまで届いて来るんです。
なのでヒドイ炎症を起こしている上と下の間に、まだ生きている神経が残っているのです。

腫れて、レントゲンでも大きな病気ができていて
神経が死んじゃっているね!って治療を始めると、
神経に触れると痛い!
なんで?
神経が死んでいるって、言ったじゃないですか?
って時は、こういうことです。