歯の神経の管、根管をキレイにするのには、
器具で削り取るのですが、半分近くの部分には器具が当たっていません。
削れないんです。
で、主に塩素系の薬液、次亜塩素酸ナトリウムで取り残しを溶かして洗い出します。
このクスリは広く日常的に使われていて、キッチンハイターとかミルトンとかと同じ様なモノです。
塩素によって、残った神経や細菌を溶かす作用があります。
でも、悪い物だけでなく何でも有機質なら溶けちゃうんで、漏れ出すと危ないんです。
だからこそ、ラバーダムも必要です。
垂らしたらヒリヒリしますので。

目的

この歯の治療を通して、
次亜塩素酸ナトリウムが漏れ出た時の症状を知り、どうすべきかを 学びます。
その予防法も理解します。

 最初に

74才の男性、
右上の犬歯近くのホホが急に痛くなり、腫れた。
前の歯科医で昨日、根管治療を受けていた。
治療中に突然、痛くなった。
ひどく痛くて、治療は中止となっていた。
仮の詰め物をされて、歯内療法専門医へと紹介された。

主訴

治療後から右上がずっと痛い。
ずっと鈍い痛みがあって、咬むと右上3番がひどく痛い。

内科的な病気

特に無い

歯科の病気

定期的に検診を受けていて、この数年に多くの治療をやり替えていた。

診査結果

右上のホホが腫れて、鼻との溝がなくなっていた。
治療済みの歯が多く、右上3番には穴を開けた跡があり詰めてあった。
ホホ側には1センチ位の口内炎のような傷、潰瘍ができていた。
他には異常は見つからない。

電気の刺激に反応しない。
たたくと痛む。
周りの部分には感覚がなく、動きにくくなっていた。
レントゲンでは、根っこの先にカゲがあった。

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