歯のそれぞれの山、咬頭って言いますが、に力をかけて開くように咬んでもらいます。
写真のようなプラスチックの棒や割りばしとか丸めた綿とかを、咬んでもらうんです。 
患者さんの言う症状が再現できるか?それぞれの山で咬んでもらいます。
もしどこかの山で痛みが出たなら、記録します。
この方では右下の6番の遠心舌側咬頭、奥側ベロ側の山で咬むと痛みが再現できました。
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強い光を当てて見る検査も、ヒビを見つけるのに有効です。

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ヒビが有ると、ヒビから先には光が届かず暗く見えます。
下の様に染色するとヒビに色が付いて分かります。



診断と治療計画

診断は右下の6番のヒビです。
症状からして、神経は生きていて、ヒビは完全にマップタツにはなっていない、不完全破折ですね。

何で痛むの?

痛みは象牙質の細い管、細管内の液体の動きが刺激になって起こります。
力で開いたり閉じたり、甘いの酸っぱいのの成分による液体が引っ張られたり押し込まれて痛いんです。
歯の外側の靭帯、歯根膜まで炎症が広がっていないので、たたいても痛くもなくて、本気にはどの歯が痛むのかが分からなかった。

治療しなでいると、歯髄炎や歯髄壊死、神経へ炎症が進み死んじゃうって、しまいには根っこの先へと進んでいきます。
根尖性歯周炎へと。
未治療の歯や控え目の治療のされた歯にヒビはよく見られますが、でも大きな詰め物の歯でも見られます。
この患者さんでは、咬んで数秒間後の痛みだけなんで、可逆性、元に戻れる程度、神経を取ったりしなくていいくらいのの症状です。
ズキズキしたり、何にもしなくても痛かったりすれば、神経への治療が必要です。