出た神経につける薬に必要な性質は?

●生体親和性
●象牙質の橋、フタが出来る(硬い組織によるフタが誘導される)
● 水に溶けない
●親水性
●歯にくっ付いて、スキマができない
●使い易い
●レントゲンに写る
●高くない

直接覆髄にするか?部分断髄にするのか?

どっちも同じですが、虫歯の治療では部分断髄の方がチョトだけ有利です。
直接覆髄は神経はそのままで薬を置く方法、部分断髄は少し神経を取ってから置く方法です。
部分断髄では表面の傷ついた部分を取り除くので直り具合が良く、またその削ったスペースに薬を置く余裕ができます。
直接覆髄は全然時代遅れってことではないんですが、虫歯で神経が出ちゃった時には部分断髄が一般的には好まれます。

象牙質によるフタ、象牙橋の有効性については、長年討論が続いています。 
成功の必須条件ではありませんが、スキマが出来にくくなって神経を守るには有効です。
象牙橋が無いと、神経が外側には近くなり細菌の侵入のリスクが高くなります。
MTAセメントを使うと象牙橋の質と量が優れています。
MTAセメントが神経を刺激して、象牙質の中の生物活性する成分を放出、活性化することで硬い組織によって修復されるようです。 

 ケガで神経が出た時や虫歯ではある条件であれば、神経を残すことができます。
無菌的な術式によって、出血のコントロール、薬を乗せてしっかりと封鎖出来ることが成功のカギとなります。
ケガの患者さん、虫歯で神経が出ちゃった若い患者さんには、MTAセメントの使用が治療結果を良好とするでしょう。

左の写真は抜いた歯の頭を酸に付けた柔らかくして、半分に切った絵です。
右の白く見えるAとあるのが、MTAセメントです。
Bの茶色が治療後3ヶ月後のできている象牙橋、歯の組織による硬いフタです。
Cの部分が神経を一部分削って取った所ですね。

右はその歯を薄くスライスして、色素で染めて顕微鏡で見た組織像です。
8倍に拡大してあります。
周りの青い象牙質と全く同じ物が、神経との境目にできています。
このようなトンネルみたいな虫歯はないので、健康な歯に穴を開けたものです。
虫歯というよりも、ケガで折れちゃった時に当てはまるでしょう。



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