診療中に、根っこに生きた神経が残っているのかが分かるんですか?

95E7873E-C5BB-4BE6-B905-B1E1A977505E 入り口を開けたら、1〜1.5ミリだけ器具を入れて、回転して引き抜きます。
器具についてきたものを顕微鏡で拡大して観察します。
少しずつ深くしていくと、血液の付いた生きた組織が出てきます。
そこが死んだ所と生きている部分の境目です。
そこから先の神経はまだ生きています。
完全に神経が死んだしまうと、細菌は1番先の根尖孔、出口にまで侵入してしまいます。
そうなると、どんなに消毒しても完全には取り除けない場所にまで 入り込んでしまうのです。


神経の管の中で細菌達と身体の防衛軍、免疫、炎症がせめぎ合っているのです。
このバランスがくずれるのは、細菌の数が増えたり、毒性が高まったり、一時的に防御力が弱まった時です。
そうなると急性症状、痛くて腫れてくるのです。

レントゲン写真から根っこの病気の種類を見分けられますか? 

根っこにできた病気に、嚢胞っていう病気があります。
嚢胞には上皮、歯ぐきや皮膚の1番外側にある層で中身を守っているカバーの部分です。
この上皮のカバーにおおわれていると、根管治療では治らずに外科的に取り出す必要があると言われます。
で、外科しないとならない嚢胞なのか?しなくていい肉芽種なのか?
肉芽ってのは炎症の時に細菌と戦っているお肉の部分です。
戻って、レントゲンから嚢胞と肉芽種を見分けようとされてきました。
嚢胞ではまん丸で、フチが鮮明でハッキリしているとか?
肉芽種ではフチがよく分かんないとか?
これは今では証拠が無いです。
ですので、病理組織検査をしないと分からない病名、嚢胞や肉芽種は使わずに、根尖病変と言います。
ただ単に根っこの先の病気です。