レントゲンで根っこにカゲが見つかったなら、神経は完全に死んじゃったのですか?

レントゲンで根っこの先が黒く見え電気刺激に神経が反応しないと、歯科医は神経が全部死んでいると考えがちです。
しかし根っこの部分の神経には、いろんな程度に進行した炎症像が見られます。

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 頭の部分、入り口辺りでは細菌と直接くっ付いて、急性の炎症性細胞が集まって来ています。
その下には神経や血管がある慢性の炎症像が見られます。





根っこの先の炎症像は、細菌の成分や毒素に反応したものです。 
この様な刺激は健康な神経の中の血管を通って、根っこの先に炎症を起こしています。




5BA1844B-2B80-4C40-9092-43A0F280054F これが激しい炎症像が上と下にあるのに、その間には健康な神経がある理由です。

根っこの先に生きた神経が残っている事は、まだそこには細菌が侵入していないので良いことなんです。
 根っこの先にまで細菌が来てしまうと、治療結果は悪くなります。
根っこの先には細い枝分かれなどの複雑な形が多いからです。
生きた神経での成功率が95%に対して、死んだ神経では85%です。