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診断は?

右上の1番の側方脱臼です。
ベロ側に位置が動いていますね。

何でいつものレントゲン2枚とCTを撮ったんですか?

国際外傷歯科学会のガイドラインによると、脱臼を疑った際には方向を変えて複数枚のレントゲンを撮ることを勧めています。
今回の歯では、歯の方向と同じ方向から咬んで撮るもの、歯と平行にとるもの、斜めに撮るものがあります。
CTがあれば、3次元的に周囲の歯まで一回で分かります。
3次元的に見れれば、ケガの正確な状態がイメージできます。
CTがなければ、学会のガイドラインに従いましょう。

平行に撮ったレントゲンは最初の時の根っこの状態の基準になります。
その後に適切な時期にレントゲンを撮って比べていきます。
根っこの先に病気ができていないか?神経が小さくなっていないか?吸収、歯が溶け出していないか?
CTは定期的には撮りません。

横にずれた歯の神経は、どうなっちゃうの?

歯の神経はケガをした時でも、まだ生きています。
ケガして数ヶ月間は、神経が生きているか?調べる、刺激の検査には反応しない事もあります。
初診時には神経の状態を判断すべきではありません。
折れて神経が出ている時は別ですが!
定期的に診察やレントゲン検査を繰り返して、神経が死んでしまってないか?を調べていきます。

側方脱臼などでは、根っこの先が完成している歯、根っこの先が細い歯では死んでしまう事が多いです。
それに比べて、未完成な根っこの先が開いて太い歯では、血流が一旦切れても戻ってくれる可能性が高いんです。
未完成の歯の方が、神経が死んじゃうと成長が止まってしまい、治療が難しくなるので戻ってくれるかどうか?が重要なんです。