目的

この歯の治療を通して、
垂直性歯根破折の診断ができるようになり、
似た他の病変と見分けられるようになる。
また垂直性歯根破折の原因と治療法についても学びます。

最初に

58才の女性、
下の前歯が痛くて、かかりつけ医へ行った。
歯内療法専門医へ精査と治療のために紹介されて来た。

主訴

数週間前から下の前歯に弱い痛みが続いていた。
先週からある歯が咬むと特に痛くなった。

内科的な病歴

少し血圧が高いが、他には特に無い。
いつも飲んでいる薬は無いが、この2週間は歯が痛むと痛み止めを飲んでいた。

痛み止めを飲んでいる事が、診断に影響があるのか?

痛み止めを飲んでいると、患者さんの症状を少なく、あるいは全く無くしてしまう事もある。
それによって症状を再現するのが難しくなる。

歯科での病歴

患者さんは定期的に通っていた。
数本の歯が冠などの大きな治療が行われていた。
紹介してきた歯科医のレントゲンから、根管治療も数本の歯に行われていた。
3年前に右下の側切歯、2番はその歯科医によって根管治療がされていた。

A3A29324-318B-416D-8AD4-DE3686A38E9F 紹介元からのレントゲン
左が3年前の治療前で、不可逆性歯髄炎の診断。
真ん中が ガッタパーチャの試適時で、チャンとラバーダムしてますね。
右は詰めた後の確認で、上手に詰めてあります。