考察

細菌とその生産物が根尖性歯周炎を起こし、維持して、拡大する。
しかし根尖性歯周炎を予防し、治すには、根管内から細菌を理想的に除去する事です。

根管の解剖形態は複雑で全てを削り取る事は難しいのです。
例えばイスムス、複数の根管をハリ状につながった場所、くっ付いていたり、細かく分かれている場所などです。
ですから完全な消毒は多くの場合、不可能です。
治療の目的は出来るだけ細菌数を少なくする事です。

どうやって根管内で細菌は生き残っているのか?

根管内の環境で生き延びていける細菌は限られています。
可能な栄養源、細菌間の相互作用、その他の選択圧によって生態系が影響されます。
一般的に細菌は2つの形でいます。
バイオフィルム、台所のシンクの汚れや水道管内の汚れの様に膜状に層を成してくっ付いた状態。
それた自由に浮遊した状態です。 
バイオフィルムでは、湿った根管壁に菌体外マトリックスで張り付き層状に細菌が集合しています。
浮遊している細菌と比べて、バイオフィルムに守られた細菌は除去するのが難しいんです。

根管の器具操作、消毒の原則とは?

根管をキレイにし削り取るために、手用とエンジンで機械的に器具のサイズを大きくしていきます。
機械的に器具が触れた根管壁から感染した象牙質を取り除いていきます。
器具操作によって根管を広げ、それによって複雑な根管内へと洗浄液や消毒薬が届くようになります。
テーパー、外開きに削る事で、3次元的な根管充填を行い易くなります。
根っこが出来上がっていない前歯など、根管が太くて自然なテーパーが付いている歯では、器具操作はわずか、あるいはほとんど必要がありません。
この様な歯では超音波を使って洗浄を主に行います。


F7BE5A91-9677-443C-A0BF-73F5F1F395AF バイオフィルムの電子顕微鏡写真です。
モコモコした細菌がノリのようなマトリックスで被われています。