目的

この歯の治療を通して、
根管治療における治療計画の重要性を学び、
一回治療と複数回治療についての原則を知る。

最初に

30才の男性、
左下の6番、第一大臼歯から膿が出ているため、
歯内療法専門医へ根管治療を依頼されて来た。

主訴

左下の奥歯から常に膿が出ていて、嫌な味がする。

内科的な病歴

喫煙者、1日に5〜10本。
他に特に無し。

歯科の既往歴

3ヶ月前にかかりつけ歯科医に行って、抗生物質をもらっていた。
この歯は2年前に他の歯科医で治療をされた。
子供の時から定期検診に通っていたが、10代半ばに2本の第一大臼歯を抜いていた。

診査結果

顔の外側には異常はない。
奥歯は中程度、治療済みだった。
下の前歯には少し歯石で付いていた。

左下の6番にはアマルガム、銀の詰め物が入っていた。
両隣の歯は何ともない、自分の歯。
5番と6番の間の頬に瘻孔、膿の出口となるニキビみたいなデキモノ、があった。
グラつきや食べ物のはさまっている所はない。
歯周ポケットは正常範囲内。
左下の6番は押すと痛がった。

レントゲンから分かる事は?

●白く見えているアマルガムは深い、大きい。
●根管治療されている。根っこの中に白い薬が見られるので。
●手前の薬は真っ白なので、金属製、シルバーポイント。
  奥側はガッタパーチャポイント、ゴム状の物。
●根っこのさきに大きな黒いカゲができている。
●上の、歯ぐき側の骨、歯を支えている骨はやせていない。

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右の写真では、歯が治療中に折れたりしない様に、矯正用のバンド、金属製の帯を付けてあります。