考察

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92ED86D0-6C63-4450-9189-39874DDE7995 ケガにより折れてしまった歯の治療における短期、長期の成功には、経過の聞き取りと臨床診査が重要です。
一本の歯だけの様に思えても、隣の歯にもわずかな変化が起こっている事もしばしばあります。
口の中、全体をよく調べるべきです。
亜脱臼や少しの脱臼、歯の位置が動いてしまっているような歯では、後になってから根っこが吸収したり、神経が死んでしまったりします。
保険や保証のためにも、そのような問題を記録しておかなければなりません。
 
周囲の軟組織、歯ぐきやほっぺたなどの診査も、大切です。
歯の小さなカケラが唇に刺さっている事もあります。
もし見逃すと、慢性の化膿性炎を引き起こし、ハンコンの傷となってしまいます。
唇のレントゲンを取る事も有効です。
破傷風についても、確認すべきです。

この歯の場合には初診時に緊急的に破折片をくっ付けました。
それによって、歯ぐき側の場所を封鎖でき、無菌的な環境での根管治療が可能となります。 
しかし歯ぐきの下での接着には不安が残るので、仮歯として後に付け直す必要があります。

この歯では、何で神経を取ったの?

根っこが完成していて、その壁も薄くはなかった。
抜髄、神経を全部取る事にした。
神経を一部分残す事も考えたが、骨の位置まで折れており、後に隙間が開いて再感染する危険があった。
例え上手くいったとしても、神経を残してもほとんど利点はないだろう。
しかし根っこが未完成先端が広がっていたり、太い神経であれば、神経を残すべきです。
それによって、歯の成長を維持するためです。