神経を残す治療に関係する因子とは?

●患者さんの年齢
●出た神経の大きさ
●使う材料

患者さんの年齢が大切なの?

一般的に20才以下の若い人では神経への血流と細胞成分が豊富です。
このような神経では治癒力が高くなると思われます。
この患者さんは19才ですので、良好な治癒が期待されます。
しかし年齢が重要な因子であるといった証拠は有りません。 

出ちゃった神経の大きさは?

ケガによって神経が出た時には、その大きさは関係ありません。
しかし虫歯の治療で出た時には、大きいほど細菌感染が多く、炎症も進行していると考えられます。
論理的にはそうなんですが、大きさが関係するといった証拠も有りません。

材料が大切では?

50年以上に渡り、水酸化カルシウムが使われてきました。
レジンも代用されましたが、成績は良く有りませんでした。
この10年、MTAセメントが登場しました。
その良好な封鎖性、生体親和性、親水性、生物活性化により神経を残す治療に使用されています。
使用した材料によって治療結果に効果があるとは思われますが、最も重要なのはその上に詰めたものが隙間が開かない事です。
ですので覆罩材を被う最終的な詰め物を慎重に行わなければなりません。