考察

永久歯の虫歯で神経が出た時に神経を残してクスリを置く、歯髄覆罩、
一部分の神経を取って、一部分の神経を残す、断髄、 
これらの治療法の結果は今までは良くはなかった。
その結果、根管治療が選択される事が多かったです。
しかし 適応症を選び、無菌的な処置を行えば、虫歯で出た神経であっても保存的に治療できるでしょう。
適応症の選択、詰め物と経過観察を慎重に行うなら、90%の成功率と報告する最近の研究も有ります。
適応症の選択が最も重要で、無症状な、生きている神経で、出血の程度が成功に関係します。

不可逆性の炎症である神経を残したならば、治療は失敗します。
しかし炎症の進行具合を評価する事は本当に難しいのです。
臨床症状は本当の神経の炎症状態である、組織病理像とは一致していない事が示されています。
ある症状が神経の状態を示しているかもしれませんが、その一つの症状を持って判断する事には注意が必要です。
他の検査と併せて総合的な判断が求められます。
詳細な症状の経過や診査も重要です。
それらによって初めて神経の状態の仮の診断が可能となります。
もし不可逆性の炎症ではないと判断したなら、神経を残す治療も選択肢の一つとなります。 

不可逆性の炎症を示す症状
●何もしなくても痛い、自発痛。
●眠れない。
●刺激に対して痛い時間が長くなってきた。
●冷たい物よりも温かい物で痛い。
●刺激検査にズキズキする。
●鈍痛でなく、刺すような痛み。