目的
この歯の治療を通して、根っこが未完成で神経が死んでいる歯の治療法を学び、
MTAセメントの有効性を知ります。

最初に
8才の男の子、右上の1番が腫れている。
母親によると、6ヶ月前にその歯をぶつけ 折れて治療をした。
かかりつけ歯科医によって詰めてもらい、今までは何ともなかった。

主訴
咬むと変で、グラグラしていて、腫れて押すと痛い。

内科的な既往歴
特に無し。

歯科の既往歴
6ヶ月毎に定期的に検診を受けていた。

診査結果
顔の表面には異常は無い。
乳歯と永久歯の混合歯列で、永久歯の奥歯にはシーラントが、溝が塗り薬で被われていた。
清掃状態は良好。

右上1番の歯ぐきに6〜7ミリの膿の腫れができていた。
歯はプラスチックが詰めてあり、電気と寒冷刺激に反応しなかった。
神経が死んでいる?のかも。

レントゲンでは?
●根っこの先が黒い。
●ラッパ状に根っこの先が開いている。
●反対の歯と比べて、根っこの成長が遅れている。
●プラスチックの詰め物がされている。

成長過程の根っこの先には黒く見える事は良くある。
しかし左右の歯を比較すると、右上の1番にはハッキリと丸く黒くなった大きなカゲが認められます。
生理的な状態ではなく、病理的な変化だと思われる。

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 歯ぐきに水ぶくれができてます。
レントゲンでは、右上1番に大きく明瞭な黒いカゲがあります。