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 診断

この患者さんの診断は、以前の外傷による神経原性疼痛です。

口とにおける痛みが続いているので、頭と首も含めた全体を評価しないとなりません。
これらは神経や機能的に1つの単位として働いているからです。
診査は各部門に分けて行います。
脳神経の神経学的な評価、
頭、くび、顏の筋肉と骨の生理的な診査、 
口と顔の標準的な歯科検査です。
この様な総合的な方法を用いなければ、口腔と顔へ関連痛を起こしている原因を容易に見逃してしまいます。

歯の痛みか?歯ではない痛みか?

歯の場所に起こる歯が原因ではない痛みの特徴を知る事が大切です。
この歯の場合では、根管治療を受けた歯には最初からたたいても痛みが有りませんでした。
症状の有る歯の近くの粘膜に、知覚の過敏(痛み刺激への反応が強くなる)とアロデニア(普通は痛くもない刺激に強く反応する)がありました。

知覚過敏とアロデニアをどう評価するのか?

知覚過敏には探針、尖った針状の器具を、アロデニアには綿球を使います。
知覚過敏とアロデニアは共に神経原性疼痛の典型的な症状です。

その粘膜に表面麻酔を付けると、痛みが和らぐ事もあります。
周囲の場所からの信号が一時的に減少して、その様な変化が起こるのです。
しかし表面麻酔に反応しなかったからといって、神経原性疼痛を否定はできません。
同様に麻酔の注射の評価も慎重に行うべきです。
末梢、周囲の場所だけではなく、より中枢の神経へ感作、影響が及んでいる事もあるのです。


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