集めた病状や評価をどう分析するのか？

根管治療によって歯の痛みが取れたのだから、最初の診断、右上6番の不可逆性歯髄炎は正しい。
患者さんは２つの異なる痛みを経験していた事で、病状の評価が難しくなった。
歯の神経の痛みはゆっくりと進み、徐々に持続性になった。
それと同時に歯の痛みと同じ場所に片頭痛の症状が出てきた。
同じ場所に2種類の異なる痛みが生じる事は珍しくはありません。

歯の神経も頭痛も三叉神経によって起こります。
歯の痛みは炎症を起こした歯髄の末梢の刺激によって起こります。
片頭痛、頭痛は脳、中枢神経から生じます。
頭痛を正しく評価しないと、不必要な治療をしてしまいます。
この患者さんでは頭痛の治療をせずには、痛みは解決しないでしょう。

頭痛を疑った時には、どの様な事を質問すべきですか？

●生理、アルコール、睡眠不足、空腹、赤ワイン、チーズ、チョコレート等で痛みが強くなりますか？
●以前に頭痛の既往がありますか？
●家族に頭痛持ちの方は？
●痛みが三叉神経の領域を超えて広がりますか？
●吐き気、光や音への過敏症、一時的な視覚障害はありますか？
●流涙、眼瞼下垂、まぶたの腫れ、冷や汗を経験した事は？

アゴの生じる頭痛には？
●片頭痛
●群発頭痛
●慢性発作性片頭痛