目的

この患者さんの治療を通して、歯槽膿漏と関連する根っこの病気についての診断と治療を学びます。
また治療計画とその予後に糖尿病の関係について知ります。

最初に

40才の患者さん、かかりつけ歯科医から歯内療法専門医へ紹介された。
下の前歯の歯槽膿漏と根っこの病気の具合を評価して欲しいと。

主訴

時々、歯ブラシや食事の際に下の前歯の歯ぐきから血が出る。
痛くはないけど、指で押すと変な感じがする。

内科的な既往歴

3年前から2型の糖尿病になっていた。

患者さんの全身状態が根管治療に影響するのですか?

一般的に根管治療が禁忌の病気はほとんどありません。
しかし感染のリスクが有り、治りが悪くなる病気が有ります。
急性の血液疾患や臓器移植を受けた方です。
内科の先生に問い合わせる必要があります。

糖尿病は治療にリスクが有りますか?

糖尿病には1型(インシュリン依存性)と2型(食事に関係する)があります。
コントロールの悪い1型糖尿病は、根尖性歯周炎の治り具合が悪くなります。
糖尿病の患者さんは根管治療後に急性の症状を起こすリスクが高いです。