薬の効果


根管充填、詰める前に細菌数を減少させるために、薬剤を使用して成功率を高めます。
根管治療における細菌のコントロールにとって、最も重要な役割は器具操作ですが、根管洗浄液と貼薬は根管の消毒を付加的に高めます。
薬の使用には根管洗浄液と次回の約束までの貼薬剤が有ります。

根管洗浄

現在、最も一般的な洗浄液は次亜塩素酸ナトリウムです。
キッチンハイターや哺乳瓶の消毒にも使われています。
 抗菌作用と軟組織を解かす作用があります。
家庭用の漂白剤として5.25%の物があって、根管治療としては最も濃度が高い物に相当します。
その効果にはいろんな事が関係していて、その濃度(0.5〜5.25%)や温度、作用時間などです。
どれか一つが重要なのではありません。
次亜塩素酸ナトリウムの抗菌作用には限界があるので、できるだけ新しい液を流し込まなければなりません。
毎回ファイルを変える度に薄い0.5%の液を洗浄する方が、効果が高いはずの60度に暖めた濃い5.25%の液を30分変えずに使い続けるよりも有効です。
安全に洗浄針を根管壁にロックさせずに受動的に使用します。 
根っこの先から押し出すような事が起きないように加圧してはなりません。
もしも押し出してしまったならば、非常に毒性が高く、周囲の組織は死んでしまいます。
液を押し出す前に洗浄針がロックしていずに、フリーである事を確認すべきです。

17%EDTAは優れたキレート材で、機械的な器具操作後にスメア層、象牙質の削りカスを取り除くために使われています。
EDTAには抗菌作用はないのですが、スメア層、削りカスに隠れている細菌を効果的に除去します。
更に象牙細管、象牙質にある細い管が削りカスが溶けて開くので、消毒薬がその中へ作用できるようになります。
EDTAは次亜塩素酸ナトリウムと交互に使われる事が多いです。

9F548E93-528F-4303-9444-F06CC3F262E7左が削りカスが壁に張り付いた状態。
EDTAで溶かすと、その下にあった細い管が現れました。



次亜塩素酸ナトリウムは有機質を溶かし、EDTAは無機質を溶けすんです。
削りカスを溶かしながら細菌も溶かすように、交互に使用した方が効果的に感じますよね。
でもEDTAを使用後にはコラーゲン線維が露出していて、そこに次亜塩素酸ナトリウムを入れると象牙質の大切な構成要素であるコラーゲンが壊れて、その後の接着にも不利となります。
またお互いの作用が瞬時に打ち消し合うために、どちらも不活性化されてしまいます。
交互に混ぜてはいけません。