最初に

歯内療法について詳しくお話しする前に、
歯内療法の臨床的な定義を理解する事が大切です。
歯内ですので、歯の中に有る神経、歯髄の病気。
でも神経の死んでる病気も有るので、神経の入っていた管、根管の治療って事で根管治療です。
健康にかかわるプロとして、専門医はある病気に特化する必要があります。
歯内療法では、その病気は根尖性歯周炎です。
歯の根っこの先におきた歯周組織、歯の周りの炎症です。
まれに根っこの先よりも横側にできる事も有ります。
 根尖性歯周炎はレントゲンでは黒くぬけて見えます。

DE7BF52D-A770-411A-914A-57A4D85AA970 本来は骨があるべき所が黒くぬけて見えます。
組織標本にして顕微鏡で拡大すると、肉芽種や嚢胞に似ています。

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この図では骨が赤く染まっていますが、
根っこの先に、赤く尖っている所、白くぬけて見えています。
骨ではなくて、お肉、軟組織に変わっていますよね。 
骨の細胞はバイ菌とは戦えないので、骨を一旦溶かしてバイ菌をやっつける免疫細胞が集まって来ます。
傷口を肉眼で見ると、その傷がモコモコとしているにで肉の芽みたいなので肉芽組織って名付けた?と教わったような気がします。
炎症性の組織を肉芽組織って言います。
なので根っこの先にできたのを、根尖性肉芽種が左の絵です。
その中で肉芽腫の内側に上皮、皮膚みたいな防御壁がおおっているのが有って、嚢胞って言います。
右の絵がそうなんですが、上皮の層が薄くて見にくいですね。
上皮が体の外側をおおい、中身の部分を守っている防御壁なんです。
なので本当の、真の嚢胞では外科的に取り除かないと治らないと言われます。
でも嚢胞かどうか?は、このように組織標本にしないと分からないので、治療中に知る事はできません。