死んだ神経の中でどうやって細菌は増えるのか?
感染する細菌の種類は、どうやって選ばれるのか? 

死んだ神経の根管は細菌が増えるには理想的な環境です。
湿度だあり、温かくて、栄養分もあり、そして酸素が少ない。
死んだ組織には血管が無いので、身体からの防御機構が働かないのです。
口の中には700種以上の沢山の種類の細菌がいるのに、根管内に住める菌は約10〜20種と限られています。
根管内の細菌種に影響する主な因子は酸素圧、栄養素の種類や量、そして細菌同士による相互の作用です。

根管内で細菌は住みついているのか?

感染が進んでいくと、細菌はバイオフィルム、様々な細菌群が層となって象牙質の壁に張り付いていきます。
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左は弱拡大で、黄色のが歯の象牙質。
真ん中の根管で死んだ神経。
赤い矢印の茶色所を大きくしたのが右の写真です。
赤くて右下の歯にくっ付いているのがバイオフィルム。
左の黒い矢印は泳いでいる、浮遊している細菌群です。



根尖性歯周炎は虫歯や歯周病と同じようにバイオフィルム感染症に分類されます。
根管壁にバイオフィルムとして認めれれるのに加えて、根管内の液体や死んだ神経の中に泳いでいる細菌群もいます。
根管の枝葉や細かな分枝の中にまでも、バイオフィルムが入り込みむと取り除くことはまず?出来なくなりますね。
更に細菌が前回にお話しした象牙細管の中にまで入ってきます。
もう取れません。
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左の写真はDって書いてある黄色のが、根管の象牙質の壁。
RCってのが死んだ神経で、紫のヒモ状に見えるのが細菌。

右の写真の黄色の象牙質の中に黒いスジ状に見えるのが、象牙細管に入り込んだ細菌。

根尖性歯周炎の歯の70〜80%に、象牙細管への感染が起きています。
一般的には浅いところまでにしか入っていませんが、時には0.3ミリまでも入り込んでいる歯もあります。