考察
どうやって虫歯菌が神経を死なせて、根っこの先にまで病気が広がったのか?
虫歯菌はバイオフィルムと呼ばれる様々な細菌が集まって集団を作っている。
流しや水道管のヌルヌルとした汚れが例えにされる。
この虫歯菌を取り除かずにおくと、歯を壊しながら神経へと進行していく。 
神経へと直接に細菌が入り込むずっと前から細菌の作った毒素などが、
象牙細管という細い管を通って伝わり神経に炎症を起こす。
神経まで進むと先程のバイオフィルムを形成して、強い炎症を引き起こす。 
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青く見えるのが歯の象牙質、硬い部分。
真っ赤に見えている所が神経で、丸い血管が広がり沢山の炎症性細胞が点々として見えてます。
左が虫歯菌が神経に入り込んだ穴ですね。

細菌の攻撃が続くと神経は死んでしまい、細菌の侵入に抵抗できなくなる。
最終的には細菌が死んだ神経を埋め尽くす。
治療せずにいると、細菌が侵入し、神経が炎症を起こし徐々に死んでしまって、根っこの先の方へ細菌が入り込み 、総ての神経が死んでしまうまで続いていく。

死んだ神経に集まった細菌は根っこの先にダメージを与え、炎症が広がっていく。
細菌は直接的、間接的な作用で周囲の組織を破壊していく。
細菌毒素が細胞を障害し、周囲組織を破壊する。
細菌を作っている体の部品にも炎症を引き起こし体を防御する作用もあるが、
それによって周囲の組織が めちゃくちゃに破壊されてしまう。
急性の膿の塊、膿瘍って言います、や骨が溶けてしまう事が細菌によって間接的に引き起こされる破壊の良い例です。
このような状態は細菌感染から体を守るために行われた結果なのです。

体は本体の命を守るためには歯や骨を捨ててでも命を守ろうと過剰とも言える防衛反応を示します。