教科書から患者さんに役立つと思われる情報を。

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治療する歯の状態に関するリスク。
治療前にリスクとなる事。 

診断名
治療前の診断名は最も良く調べられているリスク因子です。
歯髄炎(神経が生きている)
歯髄壊死(神経が死んでいる)
根尖性歯周炎(神経を超えて根っこの先、根尖にまで進んだ)

治療前に既に根尖に病気が進んでいる場合には、治療結果は良くない。 

根尖に病気がある場合には、無いときに比べて10〜20%も成功率が下がる。

更にある研究では、根尖の病気の大きい程、治りが悪いと言われている。
これは大きな病気程、治るのに時間がかかるので長く経過を追う必要があるからであろう。
Weiger先生は1998年にこう言っている。
個々人の成功率を調べる際に、 経過観察の期間を十分に考慮しないと間違った結果を導いてしまう。
Ng先生らは2011年に
治療後の期間を考慮に入れても、大きな病気程、治りが悪いと報告した。
近年、根尖の炎症の程度をレントゲン写真で分類するPAIという大きさの分類によると、
大きい程、治りが悪いと。

治療前の診断名によって、結果に影響する。
根尖に病気がある歯は、無いものと比べて治りが悪い。

歯髄炎や壊死では大まかに言って、
4年以内に全く影形も無くなり、正常像に治る確率は90%、
根尖に影が出来ている歯は、80%位で元通りに戻る。
でも全く正常像に戻らなくっても、90%以上歯が機能していますのでご安心を。