一回治療か?複数回の治療か?
治療回数は一回が良いのか?
複数回の方が良いのか?
細菌のことや治療結果はどっちが良いのか?といった見方から、論争がある。

神経が生きている歯では一回治療で終えられれば理想的、
根管の中に慢性的な細菌が入り込んでいないから。
感染を取り除くよりも、感染させない事が大切になるから。

神経が死んで、根の先に病気が広がっている歯では、細菌による感染が根管内に進んでいる。
治療の成功には、根管内の感染を取り除かなければならない。
洗浄液による科学的な消毒やファイルによる機械的に削り取る事で、
根管内の細菌を劇的に少なくするがゼロにはできない。
そのために水酸化カルシウムを仮詰めして消毒されてきた。
最近、この方法が疑問視されている。
一回治療を勧める歯科医が言うには
回数を増やしても完全に細菌を取り除くことは出来ないんだから、
生き残った細菌は充填剤のクスリで閉じ込めてしまえば良いんだ。 

また他の歯科医は
細菌を最大限に少なくするには二回は必要だ。
洗浄液の消毒、ファイルによる機械的な拡大 、水酸化カルシウムによる消毒効果を活かすためには二回必要だと。

治療結果や成功率を調べると、治療回数による差は認められない。

一回治療と複数回治療、それぞれの利点
一回治療の利点
●時間が短い
●患者さんへの麻酔やラバーダムといった身体的な負担が少ない
●仮のフタが取れたり、歯が欠ける危険が少ない
●治療後の痛みに差がない
●治療結果にも差がない

複数回治療の利点
●症状がある再治療の歯などでは、次の治療までクスリを入れて細菌数を減らす事ができる
●根管内が血液等で乾燥できない時に、次回に詰めれば良い
●消毒する時間が長くなる
●痛みや腫れがあっても、次回に治療できる