虫歯が進み、神経に達し、死んでしまうと
根の先にある骨の周りに進行してしまいます。

何のことやら?分かりにくいので
患者さんの例でお話ししましょう。

29才の女性、
5年前に詰めた前歯の色が気になり、詰替を希望。

5年前に冷たい物や甘い物がしみて
沢山詰めてもらった。 
その後は何ともなかった。

3年前に定期検診に行った際には、
レントゲンでは異常はなかった。

前歯の詰め物は、みんな隙間があり、変色していた。

右上の側切歯、2番は電気などの刺激に反応なし。
またレントゲンでは、根のさきが黒い。
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左上の歯の根のさき、黒く見えます?
本来なら隣の歯と同じように見えるんです。
黒い所は骨が解けている💀。

腫れたり、ニキビのような膿の出口はない。
詰め物を外すと神経の所までつながっていて、
神経は死んでいた。

診断は?
神経が感染して死んだ事により、根っ子の先に炎症が進んだ。
慢性根尖性歯周炎+歯髄壊死

神経が死んだ原因は、
詰め物の隙間から虫歯が再発したと思われる。
虫歯を削りとる時に誤って神経が出てしまったのかも?しれない。
詰める時に神経が生きていたのかもしれないし、既に死んでいたのかもしれない。
もし生きていたのなら、
詰め物の隙間から虫歯菌が神経を悪くし、死んでしまったのかもしれない。

治療は?
根管治療を行い、詰め物もピッタリとしたものにやりかえる。

根管治療のゴールとは?
根管治療のゴールとは、
根のさきの組織を健康な状態に維持、あるいは直す事。

神経がまだ生きている歯髄炎では、予防的な無菌的な治療が基本。
根のさきにはまだ細菌が進んでいないので、
さらに先の骨の周囲にまで進行させない事が大切。

この患者さんのように
既に神経が死んで根のさきに病気が進んでいる場合には、
新たな細菌の進行を食い止めるだけでなく、
根管内に入り込んだ細菌を取り除かないとならない。

複雑な根管内に隠れた細菌は、私達の免疫防御システムでも、抗生物質を飲んでも取り除けない。
根管治療だけが、有効な治療法である。

理想的には、治療によって細菌をすべて取り除ければいいのだが、
根管は大変に複雑で、どんな器具、薬液、治療方法を駆使しても
多くの場合は菌をゼロには出来ない。
しかし、現実のゴールとして、健康を維持できるレベルに菌を減らせればいい。

歯内療法専門医は
根拠に基く抗菌療法に精通し、
根管の消毒を安心に安全に行えるよう努力している。