本連載は、医療否定を訴えるものでは決してありません。薬自体がダメ!とか言いたいのでは決してありませんし、必要な薬をテキトーに自己判断で中止するのは大変危険です。薬により得られる恩恵は確実に存在し、利益と害とをきちんと評価したうえで、ぜひとも賢く使っちゃおう!というのが本連載の意図なのです。ここ、超大事なので冒頭でお断りしておきます。よろしくお願いいたします!
さて、以前「かぜに抗菌薬は効かない」という話をしました(「かぜに抗菌薬は効かない!」)。かぜに抗菌薬が効かない理由は、「かぜのほとんどはウイルス性だから」ということでした。
そこで今回は、かぜに限らずどんな場合でも、あまり使わない・使いたくない抗菌薬についてのお話をしたいと思います。
「え! そんなのがあるの!?」と思われるかもしれませんが…残念ながらあるのです。
あまり使いたくない「経口第三世代セフェム」
あまり使いたくない抗菌薬の筆頭は、「経口第三世代セフェム」という種類の抗菌薬です。
セフェムって何? いきなりそんな専門的な用語を出されても…と思われるかもしれませんね。「セフェム系」というのは、いくつかある抗菌薬の大きなカテゴリーの1つで、それの「第三世代(比較的新しい)」の内服タイプのものを、このように呼んでいるのです。
では、この経口第三世代セフェムにはどんな薬があるでしょうか。以下が代表的なものです。
- セフカペン(商品名:フロモックスなど)
- セフジトレン(商品名:メイアクトなど)
- セフジニル(商品名:セフゾンなど)
- セフポドキシム(商品名:バナンなど)
- セフテラム(商品名:トミロンなど)
けっこう見たこと・飲んだことのある抗菌薬が多いのではないでしょうか? それではなぜ、これらの「経口第三世代セフェム」は飲まない方がいいのでしょうか?