ブローネマルク・システム・インプラントの部分入れ歯への方への使用、20年後の結果報告.その1
あのオッセオインテグレイション・インプラントの発祥の場である、スェーデン・イェテボリ大学とブローネマルク・クリニックからの論文です。
詳しくはClinical Implant Dentistry and Related Reseah 2006 vol.8 no.4に出ておりますので、興味があられる方は是非、原文をお読み下さい。
www.blackwell-synergy.comでたぶん見れると思います?
結果
部分の歯がない27名の患者さんへ使用されたブローネマルク・インプラントの20年後の成功率は91%。20年間の間に69本のうち6本(8.7%)が失敗となった。成功率は上あごで90.0%、下あごで92.3%で、全体としては91.3%の成功となる。
最初の10年間に4本が、その後の10年間に2本が失われた。
1本は3年後に歯槽膿漏によって、骨が吸収したためであった。
他の患者では2年後と7年後に1本ずつインプラントが折れてしまい、修理された。しかし8年後にはこの2本と他のもう1本も骨との結合が失われて、取り除かなければならなかった。この同じ患者では、17年後にもう2本のインプラントと固定用のネジが折れて,取り除かなければならなくなった。
インプラント自体が失われたために、2名の患者はそれぞれ8年後、18年後に再手術を受け、新しいブリッジを作りなおした。この2名の患者(1人は上下のあごでブリッジをはずす事となった)では、治療が失敗であった。
他の10例では最初作製したブリッジのまま20年間機能したが、12例は平均7年後に新しいブリッジに交換された。しかし、これら総ての患者が20年間に渡り、最初に治療したインプラントによって固定式のブリッジを使い続ける事が可能であった。
開始時に平均16.7本の歯が残っていた。平均では、3.4本の歯によるブリッジが0.8個あり、詰め物や単独の被せた歯は9.7本、そして神経をとってある歯が4.1本あった。
この20年間に平均で1.1本の歯を失い、新に詰められた歯が5.1本、2.7本の歯を使った新しいブリッジを0.7個、新に神経の治療を受けた歯が0.9本であった。
周囲の骨の吸収量の比較では、インプラントでは20年間で平均1.0mmに対して自分の歯では0.7mmであった。2mm以上の吸収が見られた場所はインプラントでは8.5%に対し、自分の歯では13.6%であった。
10年後以降に最も多く認められた問題点は、ブリッジ上のプラスチック(レジン)の破損であり、6名の患者で合計14回生じた。
部品のネジの緩みや破損も比較的多くに認められ、3名に8回、2名に6回起こった。
周囲の粘膜(インプラントの歯ぐき)や歯の減りといった問題はそれぞれ1回だけ3人と4人に認められた。
治療結果に関するアンケートでは、全員の患者が固定式のブリッジの機能に満足していた。多くがインプラント・ブリッジを自分の歯と同様に感じており、見た目上にも不満であると答えた方は1人もいなかったうえ、40%が審美的にも許容できると答えた。