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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

11 12月

根管治療後、ポスト付きの被せ物 その6

金属でなくてグラスファイバーのポストの方が良いの?

金属製のポスト後に1番多い問題は歯が折れてしまう事。
そうなると抜くしかありません。
グラスファイバーのポストでは歯と似た硬さなので、歯じゃなくてポストが折れたり取れたりします。
であればもう一度やり直せるかも?しれません。
金属はしっかりと強いんですが、グラスファイバーは弾性、柔らかさが良いんですね。
グラスファイバーのポストが問題を起こす時には、周りのプラスチックが壊れて虫歯になったりして外れてきます。
セメントから取れちゃうのが多いんです。
また見た目的にも白くてキレイです。

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7〜11年間に7〜11%の可能性で起こるようです。
被せずに詰め物で終えた歯に、虫歯の再発例が多いです。
被せて中にしまってしまう事で、水分が入り込みにくくなりセメントが緩まないです。
被せ物は残っている歯を守る役割もあって、根っこが折れにくくなります。
なので難しい根管治療をおこなった歯では、被せることを考えましょう。 
9 12月

根管治療後、ポスト付きの被せ物 その5

根管治療後、すぐにポストを入れるのが良いんですか?

●根っこの形や方向が良く分かっている根管治療後の方が、間違って変な所を削ってしまう危険が少ない。
●直ぐの方がスキマが開いてしまう危険が減る。
仮歯の間にセメントが取れたりして、細菌が入り込んでしまうかも。
●直ぐに被せる治療に入れれば、治療回数が減らせる。

ポストを入れる時にも、根管治療と同じようにラバーをした方が理想的です。
細菌や呼吸に含まれる水分なども防げて、接着に良いんです
ただしラバーダムをして、ポスト、根っこの方を削る時には歯の方向を誤り易いです。
特に曲がって生えている歯では、要注意です。

この歯でも根っこのガッタパーチャを削って、ポストの入るスペースを作りました。
出来るだけ歯を削る量は少なくします。
削り過ぎてしまうと、歯が弱くなりますし、大して外れにくくはなりません。
しっかりと接着させるために、歯に削りカスやセメントが残っていないように注意します。
ドリルや超音波の器具で顕微鏡でのぞきながら、キレイにしていきます。

根っこの壁をキレイに仕上げるのには、超音波のチップが有効です。
ピッタリした太さのグラスファイバーのポストを選びます。
よく洗って、消毒後に乾かして、レジン、プラスチック系の接着剤でくっ付けます。
このセメントは光に反応して固まるのもありますが、根っこの先の深い所には届かないので化学反応と両方で固まるのを使っています。
で、接着剤を追加してコア、上の頭の部分にもレジンで補強します。
そしたら被せ物のために周りを削って整えます。
歯型を粘土でとって、仮歯を作ります。
最初に外す前の型を取っておいたので、そこにプラスチックを流して歯に押し付けます。
レントゲンでも確認して、2週間後に本物の被せ物を付けました。
1年後に検診に来た際には、何にも症状はありませんでした。
レントゲンでも、キレイに治っているのが確認できました。

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8 12月

根管治療後、ポストの付いた被せ物 その4

どんな時にポストが必要なの?

被せ物を支える歯の頭の部分が少ない時に、ポストが必要です。
ポストの付いた被せ物には、多くの時には仮歯が必要です。
ポストは根っこに差し込むピンで、歯の頭の部分のコアを支えます。
コア、歯の頭の補強部分は被せ物を支えるんです。

874D7FCF-7EFC-4CA6-8C59-880F58616DF4 グレーのピンがポスト、
頭の穴を埋める部分をコア、
ピンク色が自分の歯です。
上の白いキャップが被せ物。

右のように自分の歯が2〜3ミリ、歯ぐきの上に残っていて被せ物で咬ませる、被うことが理想なんですが、

実際には左のように切り株のような、根っこしか 残っていなくて、上に乗っかっているいわゆる差し歯って感じは良くなんですが。
仕方なく、そうすることも多いんです。

フェルールって?なんですか?

右の絵のように一層、被せ物が自分の歯をおおっていることをフェルールって言います。
残っている歯をおおってタガをかけて、開きにくくするんです。

被せ物が取れないようには、このフェルールが重要なんです。
ポストだけでは、被せ物を十分には支えられません。
歯ぐきの上にご自分の歯がないと、ちゃんと被せられません。
逆に十分に歯が残っているなら、ポストは必要ないんです。
歯が折れないためにも、フェルールが大切です。
 
6 12月

根管治療後のポスト付きの被せ物 その3

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治療

麻酔をして、仮歯用にカタを取っておいた。
被せ物に溝を入れた、広げて緩めて、外します。
残ったいる歯が被せ直しできそうか?大丈夫だと確認した。
ラバーダムをかけて、神経の管を見つけて、中に入っているゴム、ガッタパーチャをドリルで削り出します。
治療中はずっとタップリの次亜塩素酸ナトリウムを満たして、消毒と洗い流しをしながら行います。
根っこの長さを抵抗値で測る機械、電気的な根管長測定器で調べます。
で、根っこの長さや曲がり具合などを確認するために、器具を入れたままでレントゲンを撮ります。



1C83263E-8689-4D88-BA50-8F2C18CE8D7Fそうすると、こんな感じで器具が白く写って見えますでしょう。
先で曲がっていて、短くなっちゃったんですね。

ステンレスとチタンの器具、ファイルで神経の管を削っていきます。
削れたら弱い酸のEDTAで削りカスと溶かして洗い流します。
で、その作用を止めるのに、いつもの次亜塩素酸ナトリウムで最後に洗います。
紙のポイントで乾燥させてから、根管充填します。
詰めるんですね。
ガッタパーチャって言うゴム状の心棒の 周りの専用のセメントを付けて詰めます。
被せ物をくっ付けるセメントとは違うので、このセメントをシーラーって言います。
スキマをシールする、ふさぐんですね。
この歯はポストのピンが必要ですと説明した。

理由は次回に。

 
5 12月

根管治療後、ポスト付きの被せ物 その2

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 診断と治療計画

診断は根管治療されている歯で、
慢性根尖性歯周炎です。
根っこの先の炎症、細菌による感染症、虫歯ってことですね。


患者さんの症状は神経の管、根管の中の細菌感染によって起こった根っこの先の炎症によるものです。
以前の治療による消毒が不十分で、元々の治療の時の細菌が生き残っていたのでしょう。
あるいは隙間から後で細菌が入り込んできたのかもしれません。

この歯の治療方法は?

●根管治療をやり直して、被せ物も新しくする。
●外科的に根っこの先を治療する。
●抜いちゃって、インプラントかブリッジか入れ歯にする。
●何もしない。

相談した後、患者さんは再根管治療を希望された。
今入っている被せ物を外して残っている健康な歯の量を診てみないと、被せ方は決められないと説明しました。


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なんで被せ物を外さないとならないんですか?

●後で被せ直せそうなのか?を調べるために、残っている歯の量を知るのに。
●特に隙間がある時、中に虫歯ができていないのか?を調べるため。
●被せ物の形は元々のものとは同じではないので、神経へと削る際に必要以上に穴が大きくなるのを防ぐため。
●神経への道作りを直線的に行うのに、被せ物が邪魔にならないように。
● 最も適切な被せ方を決めるためには、残っている歯を評価しないとなりません。
 
4 12月

根管治療後、ポスト付きの被せ物 その1

目的

この歯の治療を通して、
根管治療した歯にポスト、根っこに刺したピンを使う場合について学びます。 
で、その成功に関係する事にも詳しくなります。

最初に

37才の男性、
右の前歯が時々痛む。

主訴

右上の2番、側切歯の歯ぐきを押すと時々痛い。
何もしなくても痛むことや、咬んだ時に痛い時もある。

内科的な病気

特にない。

歯科の病歴

5年前にぶつけた歯だった。
その時に神経を取って、被せた。

診査結果

2番はメタボン、セラミックの被せ物が入っていた。
ピッタリして、患者さんはこの被せ物えお気に入っていた。
でもかみ合わせの調整によって、裏側に削って中の金属が見えている所があった。
グラグラしたり、たたいて痛む歯はなかった。
でも2番の根元の歯ぐきを押すと痛がった。
3ミリ以上の深い歯周ポケットはない。

レントゲンから分かるのは?
 
●根っこの先の歯根膜腔、黒く見える骨とのスキマ、歯と骨とをつなぐ靭帯が細い黒い線で見えるのが、悪くなると黒い部分が広がって見えます。
●根っこの中の白いのが、詰めたクスリで、隙間は無いんだけど、短いですね。

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2 12月

神経を取った奥歯 その6

考察

神経の治療を始める前に、
被せられるのか?どんな被せ方になるか?をいつも考える必要があります。
でないと根管治療後に問題が起こり、更に悪い状況になることもあります。

奥歯では咬む力、歯ぎしりについても考えておかないとなりません。
隣の歯との肩の部分、辺縁隆線がなかったり、ヒビが入っていたりする歯はかけ易いです。
根管治療した奥歯を欠けにくくするために、被せた方がいいです。
かみ合っている相手の歯がご自分の歯やインプラントの時には、咬む面を被うような被せ物がいいです。

被せ物は材料の厚み、残った歯の位置と量などによって考えます。
削る時には、歯がなるべく残るように行います。

その歯に状態に合わせて、それぞれの被せ方を考えます。
例えば、
強く力がかからない奥歯で、片方の肩の部分が残っている歯では、大きく被せなくてもいいでしょう。
相手の歯が入れ歯であれば、プラスチックを詰めるだけでも大丈夫でしょう。

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1 12月

神経を取った奥歯 その5

神経を取った奥歯でも、グルッと被せなくても良い時もあるんですか?

辺縁隆線、隣の歯と接する肩の部分が残っていたなら、プラスチックで詰めるだけでも良いでしょう。
髄床底、神経の部屋の下の部分はセメントで詰めておいて、咬む面は接着性のあるプラスチックかアマルガムで詰めましょう。
アマルガムは、今は日本では手に入りませんが。

歯のする減りが強かったり、アゴの筋肉がガッチリして咬む力が強そうな人では、おおった被せ物にして方がいいです。
例えば辺縁隆線が残っていても。
折れたり、ヒビが入ると抜かないとならなくなるのでね。

治療

この歯では、前のプラスチックの詰め物をまずは外して、残った歯が被せられるのかを確かめます。
根管治療、神経の治療は一回でできました。

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 根っこの先までピッタリ詰めてありますね。
良い仕事してますね〜!










セメントで仮の詰めておいて、一週間後に予約しました。
で、メタルボンドで被せることになりました。
メタル、金属のベース、基礎部分にボンド、セラミックス、セトモノを焼き付けて歯にそっくりにする被せ物です。
ホウロウナベと同じ様な作りです。
歯ガタを取って、プラスチックの仮歯にしました。
二週間後に技工士さんが作った冠をくっ付けました。

EA5F8419-D752-4B0E-B3BE-12AEA5AD3A32左が根管治療後にセメントで詰めた時、
真ん中が被せるために、周りを削った時、
右がセラミックの被せ物です。




一年後に検診に来られた時には何にも症状はなく、レントゲンでも良好でした。

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 メタボンはレントゲンでは、
金属が真っ白に
セラミックは薄く白く見えてます。
基本的に治療に使った材料は白く写って、スキマや出っ張りがないか?分かるようになってます。 
29 11月

神経を取った奥歯 その4

どんな時に、大きく被せないといけないんですか?

上手に根管治療をされた歯は、90%以上は問題ありません。
根管治療が行われた1〜2週間後には、被せられるでしょう。
もし根管治療の結果に不安が残るならば、仮歯にして症状が良くなるまで待つのがいいでしょう。
例えば痛みなどの症状が残っていたり、根っこの先まで詰められなかった歯などです。
その間はピッタリしたプラスチックの詰め物か仮歯にしておきます。

神経を取った歯を被せる理由は?

●唾液、細菌が根管に入って汚れないように、ピッタリとフタする。
●残っている歯を守るため。
●無理な力が掛かららないように。
●歯が口に中で機能するように。
●見た目のため。

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 左が根管治療後の絵です。
1はプラスチックの詰め物で入り口のフタ
2が残っている歯の部分
3は根管に詰めたガッタパーチャ、根管充填剤
4が被せ物でおおった所ですね。
周りからタガをかけて、帯状に囲って開かないように抑えるんです。
その時に、
いわゆる差し歯って差し込んでるだけでは、折れやすいんです。
絵のようにご自分の歯が上に残っていて、そこに咬ませる事が大切なんですが、
こんな良い条件の歯は???は、ほとんど見ませんけど。 
28 11月

神経を取った奥歯 その3

神経の治療が必要な歯が長持ちするか?

総じて
●患者さん自身の歯を残したい!って気持ち
●時間と費用

被せ物
●前の被せ物を外せるのか?
●歯ぐきの上にどの位、いい歯が残っているのか?
●フェルール、歯を囲えるか?
●咬む力
●見た目をキレイに仕上げられるか?

歯周病がらみ
●歯ブラシが上手か?
●歯ぐきの状態と歯周ポケットの深さ
●分岐部病変、根っ子の分かれ目、二股、三股の所まで歯周病が進んでいるのか
●根っこの長さと形

根管治療に関して
●根っこの育ち具合、出来上がっているのか?
●前の根管治療の状態
●根っこの先にカゲが有るのか?
●神経への到達性、うまく手が届きそうか?
●根っこの神経が見えているか?
●ラバーダムが、かかりそうか?
●根っこの先まで器具が届いて、キレイにできて、ピッチリと詰められそうか?


上の全てが被せられそうか?治療できるのか?に関係します。
根管治療をする前に、前の治療を全部外すべきです。
後になって外して被せられそうもないと分かったなら、抜かないとならなくなるからです。
根管治療後に新しい被せ物を入れないとならないことを伝えておきましょう。






 
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