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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

9 7月

歯のヒビ その5

考察

歯のヒビを見つけるのは、大変に難しい。
スジや亀裂、あるいは詰め物を外して初めて見つかる事もあります。
良好なライトと拡大視野、ルーペや顕微鏡が必要です。
その診断には先ずは総合的な既往歴の問診から、その後にかみ合わせ試験で患者さんの症状が再現できるかです。

その歯の予後は様々な因子が関係しています。
症状、ヒビの大きさ、歯の位置、噛み癖、歯ぎしり等です。
医原的なヒビを防ぐには、削った角を鋭角にせず、力が集中しないように注意する。

もしヒビが見つかったなら、他の奥歯も良く診査すべきです。 
大きな詰め物が入っていて、スジやヒビが見つかったなら咬む面を被った被せ物にすべきです。
非作業側の干渉、咬んでいる反対側の歯が強く当たる所は削っておいた方が良いです。 
8 7月

歯のヒビ その4


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 治療

先ずはヒビのある場所を確認するために、全ての詰め物を外す必要があります。
で、その後に被せ直し方を考えます。 
神経にまでヒビが進んでいなければ、ヒビの部分を取り除けば症状は無くなるでしょう。
仮の詰め物や仮歯で経過をみます。
無症状であれば、神経が生きているかを検査した後に最終的な被せ物に変えます。
残っている歯が折れない様に、咬む面を被った被せ物にします。
もし後で症状が出た時には、根管治療が必要となる事を患者さんに伝えておく。
時には時間が経ってから、このような症状が出てくる事があります。

もしヒビが神経に近い時には、神経が悪くなる可能性は高いです。
そのような時には被せる前に根管治療を行う方が良いでしょう。

9A45C441-72AA-4B37-A47E-94CA645139D5 アマルガムを外すと、ベロ側奥側のヤマにヒビが入っていました。
この部分を削り取り、プラスチックで仮に詰めて様子をみた後に被せました。 
6 7月

歯のヒビ その3

3何でヒビが入るのか?

咬んだ時のトラブル、例えば不意に硬いものが入っていた、歯ぎしり、夜間のギリギリ咬み、大きな詰め物が入っている、かみ合わせが悪い等がよくある原因です。
ヒビはこれらの複数の因子が長く積み重なって起こる事が多いのです。

治療法
●大きな詰め物
●セメントが良くくっ付いていない。

かみ合わせ
●食事での事故、例えば気づかずに硬い物を咬んだ、オリーブの実とか。
●歯ぎしり
●開口、前歯が咬んでいない人。
●かみ合わせが悪い。

その他
●歯の溝が深い、山が鋭い。
●繰り返しの温度刺激 。
●歯の間と縁の部分に石灰化した部分が無い。

どの歯に多いのですか?

下の第二大臼歯、第一大臼歯、その次に上の小臼歯です。
下の第二大臼歯はアゴの関節に1番近く、咬む力を最も強く受けるためです。
上の奥歯のベロ側の咬頭、山が下の歯に楔状に働き、開くように働きます。
上の奥歯にある斜走隆線、斜めに走る帯状の山、が上の奥歯での抵抗源となっています。 
5 7月

歯のヒビ その2

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歯のそれぞれの部分に力をかけて、痛みがおこるか?を左のような棒を咬んで調べます。
患者さんが感じていた痛みが再現できるまで、上下の全ての歯で繰り返します。
どの歯のどこの部分で再現できたかを記録します。
この患者さんでは、右下の6番、遠心舌側咬頭に痛みが起きた。
遠心は奥側、舌側はベロ側ですね。

ヒビの入っている方向や深さを調べるために、ライトをあてて透かして見ます。

診断と治療方法

診断は右下の6番のヒビです。
症状からヒビは神経までは進んでいない、不完全破折と思われます。

このような症状はなんで起こるのか?

割れた部分が開いたり閉じたりして、歯の中にある液体が動くのです。
その動きが象牙質にある細い管、象牙細管内の神経線維や
細管内に突起を伸ばして神経の中にいる象牙芽細胞を刺激するためです。
歯と骨とをつなぐ靭帯、歯根膜にまで炎症が進んでいなければ、
押しても痛く無いので患者さん自身もどの歯か分からないものです。

もし、そのままにしておくと神経に炎症が進み、死んでしまい、根っこの先へと進んでいきます。
未治療や小さな詰め物がある歯にも、ヒビが入る事もあります。
もちろん、大きな詰め物の歯に起こる事もあります。

この歯では痛みが数秒しか無いので、可逆性の炎症と思われます。
ズキズキした痛み、何もしないのに痛い時には不可逆性の炎症で、神経を取る必要があります。

 
4 7月

歯のヒビ その1

目的

この歯の治療を通して、歯のヒビの見つけ方と治療法を学びます。

最初に

45才の男性、右の歯に鋭い痛みがある。

主訴

硬いものを咬むと、数秒間だけ刺すような痛みを感じる。
右側なんだけど、どの歯なのかは分からない。 

内科的な既往歴

特に無し。

歯科の既往歴

最近、治療は受けてはいず、定期検診を受けていた。

診査結果

奥歯に小さな、あるいは中位の詰め物がされていた。
動いたり、押すと痛いとか、深いポケットがある歯は無かった。
拡大して見ると髪の毛のような細いヒビが、前後方向に入っていた。
右上の7番、右下の6番と7番のフチの部分です。

全ての歯が電気と冷たい刺激に正常に反応した。
レントゲンから、詰め物は皆、神経には近くはなく、根っこの先にも病変は見られなかった。

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 左の写真が右上の奥歯、
右が右下の奥歯です。
赤い印がヒビが入っている所です。 
2 7月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その10

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象牙橋、出ちゃった神経の上に象牙質が出来てフタがされる事、ができることの利点には疑問がある。
それが成功の必要条件ではないけど、象牙質によるフタができれば隙間が開きにくいという利点がある。
硬組織によるフタがなければ、神経の傷口がより外部に近くなり、口の中の細菌にさらされ易い。 
臨床的には詰め物がピッタリしていないとしたら、良好な象牙橋ができる事が大切となる。
MTAセメントを使用すると、石灰化した硬組織が形成されます。
その仕組みはよく分かってはいないけど、MTAセメントが神経を刺激して象牙質内にある内因性の生物活性物質を活性化し、分泌させているようです。

ケガによって神経が出た時と虫歯によって出てしまったある条件の時には、神経を残す治療が選択肢となる。
無菌的な治療、特に出血のコントロールに注意し、適切な材料を置き、ピッタリと詰める事が成功へのカギとなります。
ケガによって神経が出た時と虫歯によって若年者の歯で出た時、MTAセメントを使用をすれば良好な結果が得られるでしょう。

図のAが横からドリルで削って、神経を露出した跡。
BがMTAセメント。
Cが神経にできた硬組織、象牙質によるカベができています。
右の絵は薄く切片にして、色を付けて顕微鏡で見た絵です。
丸く青いカベがいわゆる象牙橋です。
この歯は虫歯で神経が出たんじゃなくて、実験のためにわざと穴を開けた歯です。
ので、感染が無いので、MTAセメントでなくても、無菌動物では出た神経の表面に勝手に象牙質によるカベができる事は昔から知られています。
ので、別に驚くような絵ではありません。 
1 7月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その9

神経につける材料に求められる性質は?

●生体親和性
●象牙質が橋状に作られる性質、内因性の生体活性化因子を刺激する 。
硬い歯の組織によって、傷口が封鎖されるのを促すって意味です。
●水で溶け出さない。
●親水性
●象牙質にくっ付いて、隙間が開かない。
●取り扱い易い。
●レントゲンで白く映る。
●高価でない。

歯髄覆罩か?部分断髄か?
歯髄覆罩は出ちゃった神経の上にそのまま材料で封鎖する方法。
部分断髄は一部分の神経を取ってから、封鎖する方法です。

どちらも似たような方法ですが、虫歯には部分断髄の方が利点が有ります。
部分断髄では表面の傷害を受けた神経を取り除くので、治癒を促進するでしょう。
また削ったスペースに材料を置く場ができるのも利点となります。
一般的に神経が出た際には覆罩よりも断髄が選べられますが、覆罩は時代遅れというわけではありません。

 
29 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その8

神経を残す治療に関係する因子とは?

●患者さんの年齢
●出た神経の大きさ
●使う材料

患者さんの年齢が大切なの?

一般的に20才以下の若い人では神経への血流と細胞成分が豊富です。
このような神経では治癒力が高くなると思われます。
この患者さんは19才ですので、良好な治癒が期待されます。
しかし年齢が重要な因子であるといった証拠は有りません。 

出ちゃった神経の大きさは?

ケガによって神経が出た時には、その大きさは関係ありません。
しかし虫歯の治療で出た時には、大きいほど細菌感染が多く、炎症も進行していると考えられます。
論理的にはそうなんですが、大きさが関係するといった証拠も有りません。

材料が大切では?

50年以上に渡り、水酸化カルシウムが使われてきました。
レジンも代用されましたが、成績は良く有りませんでした。
この10年、MTAセメントが登場しました。
その良好な封鎖性、生体親和性、親水性、生物活性化により神経を残す治療に使用されています。
使用した材料によって治療結果に効果があるとは思われますが、最も重要なのはその上に詰めたものが隙間が開かない事です。
ですので覆罩材を被う最終的な詰め物を慎重に行わなければなりません。
 
28 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その7

考察

永久歯の虫歯で神経が出た時に神経を残してクスリを置く、歯髄覆罩、
一部分の神経を取って、一部分の神経を残す、断髄、 
これらの治療法の結果は今までは良くはなかった。
その結果、根管治療が選択される事が多かったです。
しかし 適応症を選び、無菌的な処置を行えば、虫歯で出た神経であっても保存的に治療できるでしょう。
適応症の選択、詰め物と経過観察を慎重に行うなら、90%の成功率と報告する最近の研究も有ります。
適応症の選択が最も重要で、無症状な、生きている神経で、出血の程度が成功に関係します。

不可逆性の炎症である神経を残したならば、治療は失敗します。
しかし炎症の進行具合を評価する事は本当に難しいのです。
臨床症状は本当の神経の炎症状態である、組織病理像とは一致していない事が示されています。
ある症状が神経の状態を示しているかもしれませんが、その一つの症状を持って判断する事には注意が必要です。
他の検査と併せて総合的な判断が求められます。
詳細な症状の経過や診査も重要です。
それらによって初めて神経の状態の仮の診断が可能となります。
もし不可逆性の炎症ではないと判断したなら、神経を残す治療も選択肢の一つとなります。 

不可逆性の炎症を示す症状
●何もしなくても痛い、自発痛。
●眠れない。
●刺激に対して痛い時間が長くなってきた。
●冷たい物よりも温かい物で痛い。
●刺激検査にズキズキする。
●鈍痛でなく、刺すような痛み。 
27 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その6

神経を残す治療が失敗した時の症状は?

●何もしなくても痛い、自発痛。
●ズキズキする、眠れない。
● 根元を押すと痛い、咬むと痛い。
●膿が出てきた。
●温度に、特に暖かいものに過敏。

経過を観る際には電気や温度刺激に反応するか?
押したり、たたいて痛みが有るか?を調べます。
レントゲンも取るべきです。
この患者さんでは、3,6,12ヶ月後に来院され、電気や温度刺激に正常に反応した。
一年後のレントゲンでも、根っこの先にカゲは無かった。
その後は一年に一度、検診にいらしている。

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