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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

4 10月

削って、キレイに その2

アクセス、入り口を削る

で、また最初はアクセス。
根管治療でまず最初に行うのは、アクセス窩洞、入り口の穴を開けることです。
根管、根っこの神経へ適切に届かせるための道作りの最初の一歩です。 
間違った歯を治療しないように、先ずは歯を確認します。
特に被さってると、この歯だったかな?ラバーダムをかけちゃうと、その歯だけですのでね。
それに紹介状に書かれている歯式、歯の記号が反対だったりすることも。
診断が誤れば、治療結果はご想像の通りです。
すごく神経が小さくなってる歯、大きく被せてある歯、ぶつけたことのある歯では
神経が死んでいると思い、根管治療が必要と間違え易いです。
冷たい刺激に反応するのか?は神経が生きてるのかを知るのに有効ですが、
他の検査も行うべきでしょう。
診断を確実にし、根管治療を必要もない歯に行わない。
当たり前に聞こえますが、痛みを訴える方に治療をしないで
経過をみるのは難しいんですよ。
神経を取ってくれないんですか?
、、、、、 
2 10月

削って、キレイに その1

削るファイルなどの器具の技術的な進歩によって、
複雑な根管、神経であっても
根管治療は良好な成績が得られるようになりました。
しかしミスが起こると、
治療結果が悪くなり、患者さんとの関係がこじれて、 歯科医は自信喪失します。

ここからは根管治療のなかの、
削る事と消毒するのに関係する事故、ミスについて話していきます。
もちろんそんな事が起こらないように予防してリスクを避けるのが良いのですが、
でも万が一にも起こった時に、正しく診断して対応しないとなりません。
起こりえる問題を挙げ、その評価、原因、予防法と対処法について考えていきましょう。

問題の大きさによって、取り返しができるのものとできないものが有るでしょう。
外科治療でなければ、命に関わるような事はほとんどありませんが、
治療結果にとってマイナスとなります。

 
1 10月

適切なアクセスの決め方 その2

いつもレントゲン、CBCTってきましたので
今度は削るドリル、バーって言います。

どのバーを使うのかは、歯の種類や入っている詰め物によって違ってきます。
被せ物は外した方が良いんですが、高価な物や入れたばかりだったりすると外せません。
そんな時、ジルコニアではたっぷりと水をかけながらダイヤモンドのバーを
メタボンでは中の金属には金属用のバーですね。
ジルコニアは削るのは大変ですが、これも専用のバーが出ています。
穴を開けて、神経の部屋の天井を取ったり、虫歯を削るには、
カーバイドのバー、刃のあるのの丸っこいのや細長いの、あるいはダイヤモンドがコーティングされてるのが良いです。

IMG_0153
力をかけ過ぎると、ヒビが入っちゃったり、余計に削れちゃいます。
ちょっとずつですね。

神経まで進んだら、先端が切れないようなバーを使った方が安全です。
髄床底、神経の部屋の床を削ってしまわないようにです。
器具、ファイルが楽に根っこに入るように、十分な大きさにします。
こんな感じ。
IMG_0154

これは右上の6番、第一大臼歯でしょう。














超音波

超音波の器具を使った方が、削れ過ぎは防げます。
石灰化した石や前の薬、ガッタパーチャをのけるにも便利です。
外科治療では、超音波のチップで神経の管を治療します。
 
30 9月

適切なアクセスの決め方

いつものレントゲン

神経、根管の複雑な形を知るには、
解剖を学ぶことと
レントゲン を少なくても2方向から撮りましょう。
治療前のレントゲンから、
神経の部屋の大きさ、詰め物と神経との距離、神経の中に石がないか?神経の数などを知るのに欠かせません。 
上下の奥歯を咬んで一緒に撮る、咬翼法、バイトウィングも有効です。
これによって神経の角っちょとの近さ、神経の部屋の高さなどが正確に分かります。
有効なんですが、
普通のレントゲンでは神経がフタマタ、2本にわかれていても
30%しか分からないんです。

CBCT

コーンビームCT 、レントゲン線がアイスクリームコーンみたいなCTです。
このCTでは180〜360度、ぐるっと回って撮影します。
3次元的にも画像を再構成して見れます。
大きさやその位置も普通のより正確です。

アメリカの学会は、下の様な歯を診断する際にはCBCTを勧めています。
いつもとは違う症状の患者、その原因が分からない時、形などが珍しい時、神経の見逃しがありそう、あるいはもう一本ありそうな時、石灰化がすごくて神経が細〜い時、手術の予定がある時など。
余計な神経、いつもよりの神経の本数が多い歯では、CBCTは本当に優れています。

IMG_0152
 下の第一大臼歯、
4本目の神経が日本人には多いです。
普通のレントゲンだと真っ直ぐに見えるんですが、 
横から見るとビックリ!
右下のようにカギ状に曲がっているんですよ。
難しいんですよ。 
28 9月

ちっちゃなアクセス窩洞 その2

入り口を小さく削ると、再治療の時には前の古い薬、ガッタパーチャの取り残しが多くなります。
特に忍者みたいに小〜さいと。
治療時間も長くなります。
出来るだけ歯は削らない、歯の部分を残すと言う方針は
神経の治療の際に象牙質を残し、その歯が長く機能してくれるようにです。
まだ証明されてはいませんが、
神経の大きさ、残った歯の厚さ、高さと量が歯が折れないために大切だと思われます。
今後の研究が待たれます。

この辺は患者さんは気づかないとこですが、
他の先生の治療を見て
上手いな〜っと思ったり、
こりゃ〜、削られ過ぎて、、、困ったなあ〜と感じる点です。 
25 9月

ちっちゃなアクセス

削るのが嫌なのは歯医者だって同じ。
でも穴を小さくすると、神経がよく見えない、そうなると根っこの神経への入り口が見つかり難くなります。
今まで通りに穴を開けた方が、4本目の神経、これって取り残し易いんですが、
なんかを見つけるのは確実です。
でも顕微鏡で見ながら、神経と神経との溝を追いながら探せば小さくても大丈夫です。
でも超小さな穴、忍者アクセスでは天井部分が多く残るので、薬液によってキレイに洗って消毒するのは難しくなります。
ので削りカスなどが残り易いでしょう。
カスが残っていれば消毒が難しくなって、感染の原因となり、治療が失敗するでしょう。
小さな穴では神経が残ってしまい、器具の操作も難しく、消毒液の届きにくくなってしまいます。
なので小さくすると、今までのシリンジ、注射みたいな方法ではよく洗えないのは大きな問題です。

研究によると、
今までの方法でも小さくしても、触れない、削り取れない壁や削りカスの量は変わらないようです。
でも入り口を小さくすると、削る方向が外れてしまうことが多くなります。
すごく小さくすると、よく洗えないなくなり削りカスの残る量が多くなってしまいます。

更に再治療の時にも、
前の詰め物、ガッタパーチャを取り残す量が増えてしまいます。
治療時間も余計にかかります。 
 
24 9月

入り口の形 その2

いろんな考え方、呼び方もあります。

⚫︎伝統的なアクセス、形
奥歯では神経の天井部分を全部、削り取ります。
その後、直線化、真っ直ぐに根っこに器具が入りしやすいように広げます。
全部の神経の入り口が見えるように、壁を外開きにします。
IMG_0151

 左がそれです。
上からのぞいて、
みんな根っこの神経が見えないといけないって習いましたね。





⚫︎コンサーバティブ、小さめのアクセス
奥歯では真ん中から神経へと穴を開けていき、神経の入り口が見えるとこまで広げます。
右の絵です。
天井が少し残ります。
前歯では三角形や楕円形になって、神経の角の部分、髄角、尖ってる角っちょを残します。

⚫︎チョウ小さいアクセス
同じ考えですが、出来るだけ天井や角を残して広げない。
忍者アクセスっても呼ばれています。

⚫︎トラス?アクセス
って?知りませんが。
複数本の神経がある歯で、間の象牙質を残す方法。
それぞれの根っこの神経を狙って、ポイント上にくり抜いて、間はつなげずに残す事かな?
⚫︎虫歯からのアクセス
虫歯の穴からの神経へと進めて、なるべく神経を取るために削らない。
⚫︎詰め物からのアクセス
 詰め物部分からアクセスして、他の部分を削らないの。

 
21 9月

入り口の形 その1

神経への道を作るために削るんですが、
出来るだけ沢山の歯を残したいので
多くの方法、入り口の開け方が提案されてきました。
根管治療後に折れやすくならないようにと、
天井部分やウエスト部分の歯を残そうという考えです。
天井部分を全部取り除けっていう今までの原則から反して、
そうしなくても神経を取り除けるって示されたのです。 
従来は歯の種類によって、入り口の標準的な形が決まられていました。
でも現在では顕微鏡によって大きくて明るく良く見えるように、
それにCTの活用によって、より理想的な入り口を作れるようになりました。
それぞれの歯と神経の形を基に決められるのです。

しかし入り口を小さくすることは、より複雑で難しいんです。
神経を見つけ、キレイにして、キチンと詰めるには狭くて小さな穴からの作業は想像が出来ますでしょう?
神経を見逃したり、器具を折ったり、変な方向に削ってしまったり、失敗をおかす危険が高まります。
神経や削りカス、詰め物などを残してしまうと、後で歯の色が変わったり、細菌が増えてしまう原因となります。

IMG_0151
 左は上の第一大臼歯の神経の入り口、
四つ見えますでしょう。
これは従来の開け方と

右は上も小臼歯の穴の開け方で
より小さな保存的な方法って書いてあるけど?

天下のトラビシャット先生が言うんだから
そうです。よ 
20 9月

根管治療の成功に影響すること その2

石灰化、硬いのが神経の中にできる歯髄結石があると、更に難しくなります。
IMG_0148 右のレントゲンで神経の所、黒く見えるはずなんです。
が、白くなってますよね。
硬い石がゴロゴロ入っていて、
どこまでが神経で?どこからが根っこなのか?が分かりにくいんです。 

硬く壁にくっ付いて一体化していると、削り取らないと取れません。
が、ただ中にできているだけのは、軽く押すだけで取れてきます。
そうなると入り口も狭く、細くなってるので、見つけ難いんですよ。
細くて腰のある慎重に突いて探していきます。

被せてある歯の治療も難しいです。
被せ物は本来の歯の形とは同じではないので、
歯の方向、特に根っこの向きが被せ物にだまされ易いんです。
神経の部屋の床部分での色の変化に注意をします。
ポストが邪魔してたり、どうしても見つからないのなら、被せ物を外しましょう。
外した方が削る量が少なくなるし、変な方向に穴を開けたりしなくなります。
IMG_0149
 左のようにガッチリとポスト、金属のピンが入っていると、
中をくり抜いて神経の治療は難しくなります。
右は歯の外に針が出ているので、違う方向に突き抜けちゃってますね。
小臼歯はウエストが細くて要注意ですね。
私もあります。この失敗。


更に
神経は治療の刺激により、加齢によっても、象牙質、歯の壁を作っていくのです。
そうするとだんだんと小さく、細くなって、見つけるのが難しくなります。
超音波の器具や長〜いドリルでゆっくりと探していきます。
根っこの入り口には、細い器具や針が吸い付くような抵抗感があります。
あるいは神経が見つかるまでは、歯の方向が見やすいようにラバーダムなしで、見やすいようにしておくのも良いです。
でも器具を誤って飲み込まないよう注意です。
レントゲンで向きを確認したら、なるべく早くにラバーをかけましょう。

IMG_0150
 細い神経を探して、大きく削られてしまいましたね。
後が心配ですが。 
14 9月

根管治療の成功に影響するもの その1

根管治療の成功にかかわるものは沢山ありますが、
歯科医にはどうしようもないものもあります。
その沢山の情報を認識して、何とかするのが大切ですね。
例えば口が開きにくいとか、歯の位置が難しいとかが原因で
歯の方向に器具が入らないこともあります。
そうなると入り口を上手く削れないし、しいては神経を見つけられないかも。
違ったチャレンジ方法を試みるべきです。
口が開きにくいなら子供用の器具を使ったり、短いドリルにしてみたり。
頬側の山を削って、見やすくするとか。

IMG_0148
 これって歯を削るキュイ〜ンっての、
タービンって言います。
ちょっと小さいだけで、かなり楽になります。

右のレントゲンでは、
歯の中の黒い部分が神経なんですが
あんまり見えないですよね。
しかも所々が白くなってるでしょう。
石、硬いのが中にできているんで、歯髄結石が邪魔して神経が取りにくいんです。


 
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