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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

28 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その7

考察

永久歯の虫歯で神経が出た時に神経を残してクスリを置く、歯髄覆罩、
一部分の神経を取って、一部分の神経を残す、断髄、 
これらの治療法の結果は今までは良くはなかった。
その結果、根管治療が選択される事が多かったです。
しかし 適応症を選び、無菌的な処置を行えば、虫歯で出た神経であっても保存的に治療できるでしょう。
適応症の選択、詰め物と経過観察を慎重に行うなら、90%の成功率と報告する最近の研究も有ります。
適応症の選択が最も重要で、無症状な、生きている神経で、出血の程度が成功に関係します。

不可逆性の炎症である神経を残したならば、治療は失敗します。
しかし炎症の進行具合を評価する事は本当に難しいのです。
臨床症状は本当の神経の炎症状態である、組織病理像とは一致していない事が示されています。
ある症状が神経の状態を示しているかもしれませんが、その一つの症状を持って判断する事には注意が必要です。
他の検査と併せて総合的な判断が求められます。
詳細な症状の経過や診査も重要です。
それらによって初めて神経の状態の仮の診断が可能となります。
もし不可逆性の炎症ではないと判断したなら、神経を残す治療も選択肢の一つとなります。 

不可逆性の炎症を示す症状
●何もしなくても痛い、自発痛。
●眠れない。
●刺激に対して痛い時間が長くなってきた。
●冷たい物よりも温かい物で痛い。
●刺激検査にズキズキする。
●鈍痛でなく、刺すような痛み。 
27 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その6

神経を残す治療が失敗した時の症状は?

●何もしなくても痛い、自発痛。
●ズキズキする、眠れない。
● 根元を押すと痛い、咬むと痛い。
●膿が出てきた。
●温度に、特に暖かいものに過敏。

経過を観る際には電気や温度刺激に反応するか?
押したり、たたいて痛みが有るか?を調べます。
レントゲンも取るべきです。
この患者さんでは、3,6,12ヶ月後に来院され、電気や温度刺激に正常に反応した。
一年後のレントゲンでも、根っこの先にカゲは無かった。
その後は一年に一度、検診にいらしている。

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25 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その5

治療

ラバーダムをかけ、隙間にパテを詰めて唾液に侵入を防いだ。
 銀歯を取り除き、周辺を丸いポイントでゆっくりと削った。
最後の神経の近くは、手用の器具で取り除いた。
歯をよく診査したところ、神経が見えてしまったが詰められると判断した。

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神経の炎症の進行具合を知る基準には、出血の程度があります。
虫歯では30〜60秒以内に止まる必要があります。
もしその後にも著しい出血が続くようであれば、強い炎症が考えられ良好な治療結果は期待できません。 
この歯では滅菌生理食塩水を含んだ綿を置いて出血を止めて、次亜塩素酸ナトリウムで30秒間洗浄しました。

右上の写真がその絵です。
赤くポチッとした点が出た神経です。

出た神経にMTAセメントを置き、その上をグラスアイオノマーセメントで被いました。
で、その上からアマルガムを接着しました。
右下の絵ですね。 
最終的な詰め物を後日にすると、隙間から感染する危険が高まります。
定期的に来院し、何かしら失敗の兆候がないか?経過観察の必要性を説明します。
 
24 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その4

神経を残す治療に必要な事は?

● 健康な神経、あるいは可逆性炎の神経、元通りに戻れる程度の炎症がある神経。
●慎重な手技、出血のコントロールとクスリの置き方。
●隙間が開かない事、細菌感染を予防するために覆罩材とその上の詰め物が良好な封鎖性を持つ事。

患者さんは、 自分の歯を失いたくはなかった、
術前に実際にどこまで穴が開いているのかは分からない。
神経が出てしまい、他の治療法に変更となる可能性がある事をよく説明した。 
もし神経が出た時には、歯髄覆罩か断髄が必要となる。
覆罩はそのまま出た神経を薬で被う方法。
断髄は一部分の神経を削り取って、その上に薬を置く方法です。

もし歯髄覆罩か断髄が予想される時に、患者さんに伝えておくべき事は?

●治療法の種類とその原則。
●この治療法は保存的ではあるけど、もし将来的に症状が出た時には根管治療が必要になる事。
●定期的な検診が必要となる。
●最初の頃、少し冷たい物がしみるかもしれない。

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22 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その3

どんな時、神経を残せるのか?

理論的には、ケガや虫歯で出ちゃった神経が可逆性の炎症、元に戻れる時は残せます。
しかし実際には、神経の炎症がどの位まで進んでいるのかを正確に知る事は難しい。
ケガであれば、虫歯のような感染症ではないので、神経を残すべきです。
特に根っこが出来上がっていない、未完成歯では神経を取ってしまうと成長が止まってしまうので。
しかし虫歯で出た時には、細菌感染が著しく進んでいると思われる歯では断髄か抜髄が行われます。
断髄は一部分の神経を、抜髄は全部の神経を取る方法です。
神経を残す治療は、神経に炎症が有るのか無いのかで治療結果が大きく違ってしまうのです。

この歯のように自発的な症状が無く、電気や温度刺激に反応して、レントゲンで根っこの先にカゲが無い歯では、断髄ではなく、直接覆罩、そのまま神経を残して、クスリで被う方法が考えられます。
このような症状は神経が健康で、覆罩や部分断髄ができるかもしれません。

神経を残して、覆罩する方法の利点は?

歯髄覆罩は短時間に行え、費用も安く、根管治療よりも保存的、削りません。
更に被せずに、。詰め物で治せます。

生物学的には、神経を残せれば第二、第三象牙質、神経が刺激に反応して象牙質の壁を作る防御機構が保存できます。
また歯髄象牙質の感覚機構が残る事で、力を過大にかかるのを防げ、将来に歯が折れ難くなります。
 
21 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その2

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診断と治療計画

診断名は虫歯による可逆性歯髄炎です。
可逆性、元に戻れる神経の炎症って意味ですが?
炎症や感染の進行状態は主に患者さんの自覚症状から、想像するしまないので不確かです。
無理して神経を残して、後から腫れるリスクがある事を絶対に覚えておいて下さい。
そうなると、そこから更に根幹治療費が掛かるので、ご不満を言われる事もありました。
多くの場合、数ヶ月後に問題が起こるので“聞いてない!”なんて、言われますので。

この歯では麻酔をして、詰めてある物を取り除きます。
もし十分に歯が残っていて、神経が出なければ、直接にプラスチックか銀の詰め物で治せるでしょう。
もし神経が出ちゃった時には、更なる治療が必要となります。

神経が出ちゃった時には、どんな治療必要となるか?
●放っておく。何もしない。
●歯髄覆罩、神経の上に薬を置く。直接覆罩。
あるいは一部分の神経を取り除いてから、クスリを置く、部分断髄。
●神経を全部取る、抜髄。
●抜いちゃう。

生きている、健康な神経が残っている時には、歯髄覆罩、部分断髄、全部断髄ができるかもしれない。
直接覆罩は出た神経を覆うように薬を置く方法です。
全部断髄は神経の頭の部分を全部を取り除き、根っこの神経だけを残す方法。
部分断髄は表層の炎症がある部分の一部分の神経だけを取り除きます。



 
20 6月

歯根完成歯の歯髄覆罩 その1

歯髄、歯の神経が出ちゃった時に、神経を取らずに薬で被う方法です。

目的

この歯の治療を通して根完成歯で神経が出た際に、神経が残せる適応症とその原則を学びます。

最初に

患者さんは19才、
右上の第二大臼歯、7番が欠けて、冷たい物がしみる。
 
主訴

患者さんは右上の7番が時々、冷たい物がしみていた。

内科的な既往歴

特に無し

歯科の既往歴

3週間前までは何ともなかった。
歯がかけてから、冷たい飲み物にしみるけど、5〜10秒間だけ。
ズキズキしたり、咬んで痛んだりはしない。
この歯は4年前にアマルガム、銀の詰め物をしていた。

診査結果

顔の表面には異常はない。
奥歯には治療済みの歯が数本見られた。
清掃状態は良好。

右上の7番には噛む面にアマルガムが詰めてあり、奥側には虫歯で穴が開いていた。
たたいても押しても痛みは無い。
歯ぐきの状態にも異常はない。
下の歯とシッカリと噛み合っています。
電気刺激には正常だったが、温度刺激には他の歯よりも過敏に反応した。

レントゲンから何が分かるのか?

●咬む面と手前側に詰め物がある。
●奥側には大きな穴がある。
●根っこの先にはカゲはない。
●歯の周りの骨も正常。

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18 6月

歯内療法における近年の技術の進歩

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この様な技術的な進歩の中にあっても、
術中における根管への感染予防への配慮がなされなければ、
全く無駄となるであろう。
つまりは、
最も効果的で長く行われている感染予防策は、ラバーダムである。
それにもかかわらず、多くの国で根管治療時にラバーダムを殆ど、あるいは全く使用しない歯科医が大半である。
 近代の根管治療には、ラバーダムは必須の方法である。
他の治療同様、根管治療には意思決定する際に様々なジレンマによる合併症のリスクが生じる。
最新の治療法を用いて、適切な適応症例を選ぶならば、以前には抜かねばならなかった歯でも、成功裡に治療が可能です。
 最新の根管治療を用いるならば治療結果は長期に渡り良好に経過し、ご自分の歯を保つ事ができるでしょう。
ただし、これらの技術的な進歩は根管治療における基本的な手技を守ったうえでしか意味を成さない。 
17 6月

根っこが未完成歯の根管治療 その6

MTAセメントで硬組織、硬い栓を作る方法と比べて、
水酸化カルシウムを繰り返し貼薬、仮詰めを繰り返す方法の欠点は何か?

●時間がかかるので、途中で隙間から再感染する危険がある。
●何度も通わないとならないので、患者さんにとって面倒だし、治療費も高くなるかも?
●長期に水酸化カルシウムを詰めると、象牙質がもろくなって歯が折れ易くなる。
●?水酸化カルシウムの貼薬を繰り返すのは、硬組織の形成に逆効果となる?

詰めたり、取り除いたり繰り返す事で、組織的な変化を妨げるって意味かな? 

もし歯を抜いちゃったなら、仮歯を隣に接着するだろう。
20代、成長が落ち着くまで待ってから、インプラントを考えるでしょう。

このような難しい根管治療には、顕微鏡が必須です。
 
15 6月

根っこが未完成歯の根管治療 アペキシフィケーション その5

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考察

適切に消毒、封鎖できたので、この歯の予後は良好です。
2年後のレントゲンから、完璧に治癒し根っこの先にも硬組織による封鎖が認められます。


この歯の診断はかんたんでした。
反対側の歯と比べて根っこの成長が遅れていて、膿ができていましたので。
ケガの後の早期に神経が死んでしまったのでしょう。
そして詰め物の隙間から細菌が入り込んで、根管が感染したと思われます。

歯根の未完成歯の正しい診断は、いつも簡単とはいきません。
未完成歯では、神経の生活検査が常に不正確になります。
間違って反応無しと判断しがちです。
これは歯が完全に出てからでないと、神経が十分に成長していないからです。
もし不安があれば、ハッキリとするまで定期的に神経の生活検査を繰り返すべきです。
歯の成長が止まっている等のレントゲン像が神経が死んでしまった事を示しています。


歴史的には未完成歯の根管治療では、水酸化カルシウムを仮に詰めて経過を見てきました。
18ヶ月後まで3〜6ヶ月ごとに水酸化カルシウムを詰め替えて、レントゲンでカルシウムによる石灰化を確認してから最終的な詰め物をしていました。
現在はMTAセメントを使えるので、長期の水酸化カルシウムによる貼薬は必要なくなりました。


 
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