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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

1 12月

歯内療法 診断 その8

臨床診査

患者さんの症状と診断検査の結果を評価して、歯科医は診断に達して、どの歯が犯人かを見つけます。
ほとんどは、診査によって診断が正しい事を示しでしょう。 
しかし時に診査によって診断が変わる事も有ります。

根っこが完成している歯で歯髄が出た時

完成歯で虫歯を取り除く時に歯髄が出てしまった時、歯髄を残す治療の標準的な方法は有りません。
(この本は2005年の本なので、そう書かれています。
MTAの登場によって完成歯であっても、歯髄を残そうとする治療が確立されてきました。)
本に戻って、
治療の目的は根尖性歯周炎の予防ですので、このような歯では厳密な無菌的な手技で歯髄を取る、抜髄が最も予後が高い方法です。
もしも診査結果から可逆性歯髄炎と診断し、虫歯を取り除く時に歯髄が出た時には診断名を不可逆性歯髄炎と変更すべきです。

今ではここは反対される方が多いと思われます。
確かに抜髄すれば成功率は高く、安心です。
でも一部の歯髄を生きたまま残しておく利点と欠点もあります。
もしかすると痛みや腫れが起きてから、根管治療を行うと成功率が少し、10%程度下がります。
また痛くなくても、歯髄が石灰化してスゴく細くなってしまい、後で根管治療が難しくなってしまう歯もあります。
慎重な検診を継続できるか?って事も治療方法が変わります。

 
30 11月

歯内療法 診断 その7

触診でも歯根膜の炎症状態を診査できます。
でも根っこの先の頬側の部分だけしか調べられないので、限られた情報となりますが。
他の方向の状態を見逃してしまう可能性があります。
触診で痛みが有れば、神経は死んでいます。
根っこの先を表面から触れて痛みを感じるには、頬側の骨に明らかな炎症が起きていないとならないのです。 
しかし、まれに生きた歯髄が知覚過敏を起こしている事があります
その時には不可逆性歯髄炎を意味しています。

レントゲン検査

レントゲンの所見を後の方にしたのは、意味があります。
レントゲンは2次元の白黒写真で、その情報は限られています。
歯科医は診断をあまりにもレントゲンに頼り過ぎています。

歯髄が死んで、根尖性歯周炎があればおそらくは根っこの先にカゲが出来ているかもしれません。
しかし、いつもカゲがあるとは限りません。
可逆性歯髄炎では根っこの先にカゲはできません。
不可逆性歯髄炎では根っこの先を被う白く見える骨の部分、白線が広がっているかもしれません。
でも、いつもではありません。

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左の真ん中の歯では、根っこの先が黒く抜けて見えますよね。
右の写真では詰め物が白く見えていて、黒く見える歯髄に近いですね。
根っこの先の骨の部分が白く見えますね。
硬化性骨炎かもしれません。
本では可逆性歯髄炎の歯だそうです。 
29 11月

歯内療法 診断 その6

試しに削る。

被せ物があって、温度や電気の刺激が出来ない時には効果的な診断検査法はありません。
そんな時には検査のために被せ物に穴を開ける方法しかない。
被せ物に削って象牙質まで達すれば、それ自体で象牙細管の液体の流れを生じて歯髄が生きているのかが分かります。
テスト的に削る方法は正常な歯髄、あるいは可逆性歯髄炎と思われる時に最後の方法としてだけ行うべきです。
その際には十分に水をかけて、優しく行います。

打診、たたいてみる
触診、触ってみる。

打診と触診は歯と骨の間をつなぐ靭帯、歯根膜に炎症があるかを調べるために行われます。
歯根膜に炎症がある時には、歯髄が死んでいる歯がほとんどです。
温度や電気刺激に反応がなく、打診や触診で痛みがあれば、急性の根尖性歯周炎の症状です。

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検査用の鏡の柄で歯を垂直にたたきます。
触ってみて痛くないか?腫れているか?プクプクと水っぽくないか?ペコペコしてないか?

また不可逆性歯髄炎の炎症が急速に歯周組織、歯の外にある周りの歯根膜や骨に広がって、歯髄は死んでしまうでしょう。
歯根膜に炎症があって、歯髄が生きている場合には、根っこの歯髄に炎症が進んでいて、おそらくは不可逆性でしょう。
歯髄が生きていても、打診や触診に過敏に反応する時には不可逆性歯髄炎です。

打診の検査は多くの歯根膜を刺激するように、鏡や金属製の器具の柄で根っこ方向にたたきます。
最も炎症を起こしている場所は根っこの先だからです。
いろんな方向にもたたいて みます。
感覚に過敏な反応が有れば歯根膜に炎症があることを意味しますが、
普通に反応したから炎症が無いとは言えません。
検査には見逃す事が必ず有るからです。
 
27 11月

歯内療法 診断 その5

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暖かい物で刺激する。

疑わしい歯をラバーダムで孤立させて、暖かいお湯で歯の周りを満たします。
新たに暖めたお湯で繰り返し調べます。

現在、温熱検査に効果的な方法はありません。
一番優れた方法はお湯に歯を漬けてみる事です。
先ずは目的の歯列を決めます。
患者さんを横に倒した位置にして、1番奥の歯からラバーダムをかけます。
歯全体がつかるまで、ゆっくりとお湯を注ぎます。
痛みが再現できなければ、もう一本手前の歯にラバーダムをかけ直し新しいお湯を注ぎ繰り返します。
痛みが再現するまで、繰り返します。
寒冷検査と同様に、何度も反応が無い母歯内療法が必要になります?
しかし反応が有ったからといって、歯髄炎が可逆性か?不可逆か?は分かりません。

電気刺激検査

電気で直接的に歯髄の神経を刺激して、生死を調べる方法です。
特に高齢の方などの歯髄が小さくなって、象牙質の中の液体の流れが少なくなった歯に有効です。
寒冷検査と同じ様に、前歯では先端を、奥歯では3分の1の所に先端をあてます。
反応がなければ歯髄の死を、反応が有れば単に生きているという事です。

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どんな検査にも誤差の範囲が有ります。
凄く厳しい基準で行うと、死んでもいない歯を不必要に根管治療を行ってしまいます。
甘すぎると見逃してしまう悪い歯が増えます。
バランスが大切で、数種の検査を合わせて総合的に行いべきです。
迷った時には、待って様子を見る事です。
本当に悪ければ、申し訳ありませんが、確かに症状が強くなり間違えなくこれだ!と明らかになりますので。 
26 11月

歯内療法 診断 その4

温度刺激による検査

温度刺激による検査は、象牙質の管の中の液体が動く事による。
冷たい物や暖かい物を歯に付けると、細管内の液体が動く事によって歯髄の周囲に有るAδ線維が刺激されます。
そうすると鋭い痛みが起こります。
歯髄の炎症が進むと、暖かい物で液体が膨らみ、冷たい物で収縮する事で最も深い部分にあるC線維を刺激します。

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鞘付きのAδ線維は速い(時速100k)、刺すような痛みが
C線維は鞘が無いので、遅い(時速3k)、鈍い痛みを生じます。

冷たい刺激

冷たい刺激には、綿にスプレーをかけて冷えた先を歯にくっ付けてみるか、風をかけてみます。
前歯では先端の3分の1の辺りに、奥歯では手前の山の先端にくっ付けます。
この部分に歯髄の角が近くて、最も神経が豊富な部分だからです。
同じ歯を再度調べる時は、少し時間を置いてから行います。

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反応が無い時には、97%の可能性で一部の歯髄が死んでいる可能性があります。
となると歯内療法が必要となります。

?ここは私の経験とは異なります。
多くの方で反応が無い事が多いですね。冷たいのには。

反応が有れば、歯髄は生きています。
C線維による痛み、深く、鈍い、うづくまるような、ズキズキとした痛みでなければ、
冷たい物に反応があった事から、可逆性か?不可逆性の歯髄炎なのかは分かりません。

 
24 11月

歯内療法 診断 その3

痛みの特徴

可逆性と不可逆性の歯髄炎を見分けるコツは、もしあればですが、痛みの特徴です。
可逆性歯髄炎では、ほとんどが辺縁にあるAδ線維による痛みです。
この神経は鋭い、刺されるような痛みです。
もっと深い所にあるC線維が刺激されるようになると、徐々にひどい、深い、鈍い、ズキズキした痛みになっていきます。
そうなると不可逆性歯髄炎です。 

痛みの経過

可逆性歯髄炎では、患者さんは以前には痛みはなかった事が多いです。
もし ある特定の歯に以前にも痛みがあって、その特徴が何もしていないのに突然に痛くなった事があったり、夜中に痛くて目が覚めたり、暖かい物が痛くて冷やすと楽になったり。
なんて時には不可逆性歯髄炎です。

上手に質問して、患者さんから経過を聞き出す必要があります。

診断のために検査

以前にもお話ししたように、歯髄炎と歯髄壊死の診断検査は主観的で、原始的です。
疑わしいと思われる歯と健康な歯の反応を比べてみる必要があります。
何回か検査を繰り返してみて、同じように反応するのかを確認します。
一般的に言って、この診断検査は歯髄の生死を見きわめることしかできません。
可逆性と不可逆性の歯髄炎を鑑別する事はできません。


 
22 11月

歯内療法 診断 その2

症状

患者さんに、まずはどうして来院されたの?か、を聞くべきです。
それによって歯髄の状態を知るヒント、生きているのか?可逆性かどうか?の情報が得られます。 

 可逆性歯髄炎     痛みが無い
                           鋭い痛み

不可逆性歯髄炎   痛みが無い
                            鈍くズキズキする痛み
                           冷たい物と熱い物で痛い
                           熱い物で痛みがあって、冷やすと楽になる
                           咬むと痛い

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図の黄色の部分が歯の象牙質、歯のほとんどを作っている硬い部分。
左が歯髄で、血管や神経などの柔らかい組織です。
丸いのが象牙質を作る細胞、象牙芽細胞。
細長い突起を象牙質の管に伸ばしていて、象牙細管って言います。
その管の中の液体が温度や風などの刺激によって動くので、象牙芽細胞が感じて痛む、
あるいは図で細い糸のように描かれている神経が、液体の動きを感じて痛みが起こるのです。
この神経は漏電防止用のカバーが付いた電線のように、シュワン細胞によって覆われていて、速い、鋭い痛みを伝えます、Aδ神経っと言います。

右の絵はピンク色の部分が象牙質、白く見えるのが歯髄です。
よく分かりませんが、深い所の神経が染まっているようです。
歯髄の中の方には、鈍い、ズキズキとした痛みを伝えるC線維って神経があります。
C線維は シャワン細胞の鞘が付いてないので、伝わる速度が遅くて、鈍い痛みとして感じます。

生きてる歯髄    症状が無い、あるいは冷たい飲み物や熱い飲み物に触れると痛い、
                          あるいは塩っぱいの甘いもので痛い。

死んだ歯髄      症状が無い、あるいは咬むと痛い、押すと痛い。
                        冷たいの熱いのに感じない。
                        痛みがある事もあるけど、必ずしも強くはない。
                        生きた歯髄と死んだ歯髄の両方の症状があった時は、ヒビを疑ってみるべきです。

可逆性歯髄炎     症状が無い、あるいは冷たいの熱いの、塩っぱいの甘いので痛むけど弱い。
                          痛みは鋭いけど、刺激物を取り除くと直ぐになくなる。
                          ひどい痛みは無い。

不可逆性歯髄炎   症状が無い、あるいは冷たいの熱いの、塩っぱいの甘いので痛む。
                             痛みはひどくて、ズキズキ、深くて、鈍く、歯ぎしりするような、爆発的。 
20 11月

歯内療法 診断 その1

可逆性歯髄炎、不可逆性歯髄炎と歯髄壊死の診断

先にお話ししたように、可逆性と不可逆性の歯髄炎と死んだ歯髄、歯髄壊死とでは、治療法が違います。
この3つの鑑別診断するために、その特徴を知る事が大切です。

鑑別診断には患者さんの経験した痛みの特徴が重要なんですが、歯髄炎でも歯根膜炎でも痛みがない方が多くいます。

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紫が何にも症状がない患者さん、
水色が症状の有る方。

現在、歯科医が行なっている診査法は、お恥ずかしながら原始的で、不正確なんです。
なので、ある1種類の診査法ではなく、出来るだけ多くの方法から情報を集めるべきです。
最終的には歯科医が出来るだけの想像は働かせるしかありません。 
しかし、どんなに 慎重で優秀な歯科医でも診断を誤る事があり得ます。
ですから患者さんの経過を追って、診断を確認する必要があります。
痛みが消えた事は成功ではなくて、多くの場合で一時的なものなんです。

診断は症状を慎重に分析し、診断のためのテストを行い、臨床での診査によって行われます。


 
19 11月

歯内療法 初めに その3

生活歯髄療法 

神経が生きてる治療。
生活歯髄療法は2つの病名に分けられる。
可逆性歯髄炎と不可逆性歯髄炎です。
元に戻れる神経かどうか?神経が残せる歯かどうか?って、いう治療結果からの診断名です。
診断は今までの経過、症状から行われる。
可逆性歯髄炎はそのほとんどが健康な状態に戻ると期待できる時で、標準的な治療が行われる。
健康な歯髄には根尖性歯周炎は起こらない。
その治療法は炎症を起こしている歯髄を健康な状態に戻す方法が行われる。

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生活歯髄療法
a、詰め物が取れて、虫歯が再発していて、可逆性歯髄炎と診断された。
b,虫歯を削って、
c,酸で処理して接着剤を塗って、 
d,プラスチックで詰めました。

逆に不可逆性歯髄炎の歯とは、その多くが今後に死んでしまって、感染が広がって、根尖性歯周炎を起こすような歯です。
そんな時には、無菌的な方法で神経を全部取ってしまう、抜髄が最も安心です。

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左上がレントゲンで黒い虫歯が歯髄に達しています。
それを取っていくと,右下のように血が出てきます。
赤く出血しているのが、生きている歯髄です。
左下は顕微鏡で見た絵です。

今では、この組織標本ならば部分断髄をすべきと言われるでしょうね?
一部分の神経だけを取る方法です。
でも、このようにどこまでが強い炎症が進んでいるのか?は、実際の診療では想像の世界でしかありません。 

死んだ歯髄の治療

根尖性歯周炎の原因はバイ菌ですので、その病気を治すにはバイ菌を取り除く事です。
根尖性歯周炎の治療が成功するかどうかは、
バイ菌をかなり低いレベルまで少なくでき、全ての穴を早期に適切に封鎖できるかにかかっています。


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上が治療前のレントゲンで、根っこの先に黒い病変ができてますよね。
下のレントゲンでは、根っこの先の広がっていた黒い穴が他の部分と同じような、細い黒い線に戻っています。 
17 11月

歯内療法 初めに その2


根っこの先の病気、根尖性歯周炎では、歯の神経がバイ菌に感染されている。
根管が感染が起こっていれば、歯の神経、歯髄は死んでしまっているはずです。
なので神経が感染して根っこの先に病気が疑われた際には、歯髄の生活反応を調べます。
神経が生きているのか?冷たい物や電気で刺激を与えて反応が有るかを調べます。


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図の1枚目
誰でも口の中には沢山のバイ菌がいて、歯の神経は常にその脅威にさらされています。
歯髄による免疫反応に加えて、歯はエナメル質と象牙質という硬い組織のヨロイで歯髄を守っています。
 
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2枚目の図
もし虫歯になってしまいバイ菌がエナメル質や象牙質内に入り込むと、歯髄は炎症反応を起こします。
更にバイ菌が歯髄に直接侵入してくると、死んだ歯髄を炎症性の組織が取り囲むように進行していきます。
最終的には歯髄は歯の中に閉じ込められている組織なので、
力尽きて死んでしまい根っこの先へと炎症が進んでしまいます。

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3枚目
殆どの歯髄が死んでしまうと、根っこの先から炎症反応が広がって、根尖性歯周炎ができてしまいます。

根尖性歯周炎の特徴は死んだ歯髄ですので、
歯内の病気で歯髄が生きている時はどうなんでしょうか?
根尖性歯周炎には死んだ歯髄と感染が必要条件ですから、
歯髄がおそらくは生きているのならば、歯内が原因の根尖性歯周炎ではないと言える。
歯髄が生きているならば、残すにのか?取るのかにしても、その治療の目的は根尖性歯周炎の予防となります。

つまり歯内療法の目的は根尖性歯周炎の予防と除去です。
生きた歯髄では根尖性歯周炎の予防を目的の治療を行います。
根尖性歯周炎には根管を消毒して、除去していきます。

生きた歯髄の治療と死んだ歯髄とは、その戦略は同じではありません。


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