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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

12 11月

やけど その1

根管治療の際に周りに火傷を起こす場合があります。
根管に熱を加える器具や超音波のチップでです。
骨にとっては、47℃で障害が起こります。
例えばポスト、金属の心棒、ピンを外そうとして
長時間、超音波チップを使うとです。
骨が死んでしまい、歯ぐきに重大な害を生じます。

その他にシステムBって機械で洗浄液を熱する時にも起こり得ます。
でも、このトラブルは今までに報告されてません。

根管治療による火傷はまず起こりませんが、
万が一起こった時には重大な問題となります。

IMG_0166
左の前歯の中に入っていた金属ピンを外そうとされたそうです。
痛いかもと思われたんでしょう、
麻酔をして行われたので患者さんも気づかずに
火傷をされてしまいました。
歯ぐきの下に見えるのは、骨なんです。
骨と歯ぐきが死んで、下がってしまってますが、
それどころか、歯も抜けてしまったそうです。

超音波の使い過ぎだったそうです。
 
11 11月

根管貼薬 その2

次回の約束まで、水酸化カルシウムを詰めておきます。

先っぽまでの器具を通す時やシリンジに入ったものを力を入れて押すと、
外側に押し出してしまうことがあります。
しっかりと先まで詰めようとする程、
押し出す可能性があります。

そうすると化学やけどを起こし、
組織が死んで、タンパク質が変性してしまいます。
数日中に周りの神経が死んでいきます。
これをワーラー変性って言うそうです。

 予防

レンツロって言う器具を使う時には、
逆向きに渦巻きになってるトグロ状の針金、
2〜3ミリは短い所までにする。
シリンジ、注射みたいな容器に入ったものは便利ですが、押し出し易いので慎重に。

で、どうする。

水酸化カルシウムはゆっくりと溶けるので、
高いpHによる影響はしばらくは続きます。
神経へ傷害を起こすので、可能なら48時間内に取り除ければいいのですが。
時には根管から取り除けいたり、洗い流せることもあります。
しかし神経への影響が起こってしまった時には、
出来れば外科的に早く取り除く方が良いでしょう。
ステロイドやビタミン剤に関する有効性は、十分には証明されていません。
神経の麻痺が起こった時には、痛みの専門医に紹介すべきです。
 
9 11月

貼薬 消毒の薬 その1

途中で根管に入れる、詰める薬のことです。

何回か治療回数がかかる時には、
水酸化カルシウムなどの消毒薬を入れておきます。
外側の所との境界部分に残っている細菌数を減らしたいので、
出来るだけ根っこの先にまで置きたいです。 

水酸化カルシウムはpHを12位まで高くします。 
この高いpHは数日間から数週間も維持されるので、
外に出てしまうと化学火傷を起こして組織が壊死する、死んじゃいます。
歯髄や細菌にくっ付けるのは有効なんですが、
歯の外にある神経に作用すると危険なんです
押し出した水酸化カルシウムが周囲の神経を障害する事例が報告されています。
まず起こらないのですが、しかし起こってしまうと重大になってしまいます。

確認
使われる薬は白くレントゲンで写るようになっていますので、
どこまで詰めたのかを確認できます。
麻酔をしていても痛みを感じた時には、要注意です。
押し出た可能性があるならば、レントゲンで調べるべきです。

もし神経近くに出てしまうと、まるで麻酔をされた時のような感覚が出てきます。
なるべく早くにレントゲンで調べないとなりません。

IMG_0165

 
6 11月

洗浄 その2

根管、神経の管の中に薬液がダイナミックに流れていきます。
そこは狭くて細い管で、尖端には外への出口が開いています。
洗う器具も根管と同じように細いので、
もしピッタリと食い込むような状態になると、
液が入り口側ではなく、尖端へと押し出されてしまう危険があります。

外側からの圧力もありますので、押す力とのバランスとなります。
先っぽに進むほど狭く細くなっているので、簡単には出てはいきませんが。
逆に先っぽまで、薬液が届き難いのが問題になりますけど。 

問題が起こるのは
1.外側からの根管への押し返す圧がない時
2.出易いような逃げ口がある時です。 
先っぽから、あるいは誤って開いた穴からです。

予防

押し出さないには、いつも入り口側からあふれてくるようにする事です。
絶対に一番奥まで押し込まない、器具が食い込まないようにする。
ゆるく持って、自由に動けるように洗うことです。
ピッタリと隙間なくして、強く押せば外側に飛び出す危険が高まります。
ゴムのストッパー、印や曲げておいて、長さを決めておきます。

穿孔、間違ってできた穴や大きく開いた出口の歯には、特に注意します。 

治療

もし起こってしまったなら、
生理食塩水で洗って薄めるようにします。
痛み止めや冷やすといった症状に対する処置を行います。
二次感染、汚れも出てしまった可能性がある時には、抗生物質を飲んでもらいます。
自然に症状は無くなっていくか、よく経過を追っていきます。 
5 11月

洗浄 薬液で洗って消毒する その1

洗浄に関係するトラブルは沢山、報告されています。
患者さんの服にシミを作っちゃうから
神経や間違ってできた穴に薬を押し込んじゃうまで。
薬液によって起こる気腫、空気が体の中へ押し込まれて、やアレルギー反応もあります。

根管、神経の管をキレイにするのには、化学的機械的な方法で行うのが原則です。
次亜塩素酸ナトリウム液の細菌をやっつけて、汚れを溶かす作用が主に使われます。
その欠点は反応性と毒性です。
次亜塩素酸ナトリウムは、キッチンハイターのような漂白剤に利用されています。
塩素イオンによる酸化作用の働きです。
と共に組織を溶かす作用があります。
その濃度、濃さによって強さが決まります。

診療中に漏れ出した時には、突然、痛くなります。
典型的には根管から出血して、腫れてきます。
直ぐに、あるいは後になって出血班が出てきます。青あざです。
治るものが多いんですが、神経への影響も起こりるかもしれません。

もし過酸化水素水、オキシドールを押し出してしまった時には、
ガスが中にできて腫れて、気腫って言います。
数日で消えるのですが。

薬に対するアレルギーも起こりえます。
次亜塩素酸ナトリウムに対するアレルギーはほとんど報告がありません。

薬液によるトラブルでは血腫、青あざが起こりますが、少ないです。

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2 11月

穴が開いた

入り口を開ける際に歯に穴を開いてしまった時、
その大きさ、場所と同じく早くフタをすることが、その結果に大きく関わります。
根っこの先の方で横方向に小さな穴が開いたなら、
出口を削り過ぎた時と同じように 
カルシウムシリケートセメントを使ってフタをすれば良いでしょう。
大きさによっては、
中に入れるゴムみたいな薬を熱で解かさずに、硬いままで詰めた方がはみ出し難いでしょう。
穴が見えて、届く所ならば、
顕微鏡下で中からフタをする事も出来ます。
横方向にする切れたような穴、ストリップスでは大きいとキッチリとフタをするのが難しくなります。

もし届かない所なら、外科処置の方がいいかもしれません。
顕微鏡を使ってカルシウムシリケートセメントで穴を封鎖します。
必要であれば、先端を削ることもあります。

根っこの先の方が歯周ポケットからの感染がありませんので、治りがいいです。
 
30 10月

つまったら その2

削りカスが詰まってしまったら、
必要なのは忍耐、精密な器具操作で邪魔に打ち勝つしかありません。
乗り越えられたならば
曲げた器具を使って手やエンジンで段差をスムーズにしていきます。

器具が折れている時に取り始める前に、
その危険性と効果をよく評価をすべきです。
一般的にいって
曲がっている先で、見えない折れた器具は特別な経験と器具を持たないと難しいです。
根管治療の最終的な予後、治るかどうかは折れる前にキレイにできていたかどうかです。
器具が折れていると、それ以上は邪魔になってキレイにできないので。

取ると判断したのならいろいろな方法がありますが、
すべて顕微鏡を使って行います。
超音波のチップを使って振動を与えて、少しずつ動くようにするのが勧められます。
あるいはカウボーイの投げなわみたいに、
細いワイヤーで器具の頭をつかんで取り出します。
多くの場合、歯が薄くなってしまいますが。
折れないのが一番です。

 
28 10月

つまった?ら その1

先まで器具が届かなくなり、
つまったのかも?と思った時、
先ずはその原因を探ります。
レントゲンで器具が折れていなければ、
レッジ、段差がついてしまったか?削りカスが詰まっているのかも?
そんな時には、
ファイルの先端を曲げて 、慎重に探していきます。

IMG_0162真っ直ぐにそれてしまった道を、コシのある曲げたファイルで探すんですが、、
なかなかです。
もし正しい道に戻ったなら、
抜かずにそこで何度も上下運動をして、
正しい道を逃さないようにします。

段差がついた時は硬く進まない感じ。
削りカスの時は少しは進むような感じがして、ゴムみたいな感じがします。
両方ともが起こっている事もあります。

どっちも
細くてコシのあるファイルの尖端を曲げて探します。
根元に付いてるストッパーに曲げた印を向けておいて、
段差の反対方向に向けて探します。
例えば下の大臼歯、手前の根っ子であれば、
遠心で真ん中方向に曲げます。
神経がそっちへ曲がっているのが、ほとんどだからです。
ファイルの曲がりを調整して、やさしくいろんな向きや位置で試してみます。
更につめちゃわないように、よく洗いながら行います。

 
26 10月

削る その4

防ぐには

根管治療の失敗を防ぐための方法について、たくさん言われてはいますが
どの大きさまで削れば十分に安全なのか?
根っこが折れないには、どのサイズまでにすべきなのか?
は分かりません。
とりあえず、
神経の通り道がずれないためには

⚫︎熱処理されたニッケルチタン製のファイルのような、柔らかい器具を使う。
⚫︎先端が切れないデザインのもの。
⚫︎回転方法、速度やトルク、キリモミ回転などを選ぶ。
⚫︎根っこの曲がり具合によって、削る大きさを考える。
⚫︎決められた手順に従う、例えば入り口を広げる、先端まで細い器具を通しておくなど。

それぞれの歯、使うシステムで
治療前に歯と神経を十分に診査をして、ミスを減らすことです。
総ての神経を見逃さないように、
CBCTがあれば安心して治療が始められます。

曲がり具合は、その角度、半径、位置が大切です。
電気で根っこの長さを調べる機械が役立ちます。
細いファイルで先端を少しだけ突くと、道を見失うことなく進められます。
先っぽをキレイに削ろうっていうんではなく、
詰まってないか?道が外れていないか?を確認するためです。

どの大きさまで削るのかは、曲がっている程度とも相談して決めます。
曲がりが大きい程、外れてしまい易くなりますので。
柔軟な器具を適切な手技で使うことです。

 
25 10月

削る その3

最も多いミスは
曲がった神経で均等に削れずにそれていってしまうことです。
これは硬い器具が真っ直ぐになろうとするからです。
曲がった道では、真ん中とこの内側が、先っぽの外側が削れて、
真っ直ぐになろうとします。
入り口から先っぽへこするような動き、曲がりに沿って上下すると、
神経は真っ直ぐになり、その方向がズレてくるんです。
その結果、レッジ、段差ができたり 、先が広がったり、穴を開けてしまったりするのです。

方向がズレて上手く進まなくなって、
さらに突いて進めようとして、本来の先でない所に出口が、穴が開いてしまうのです。
穴は神経の横方向へと先が外れていってしまったり、
あるいは途中の部分で薄くなってできることもあります。
すり切れた様な穴なんで、ストリップスって呼んでます。

神経を取る器具、ファイルは細いので、折れてしまうことも。
細いステンレスのファイルは先っぽがネジ切れてしまい易いです。
ニッケルチタンのファイルは、ステンレスのものよりも 少し折れやすいと言われます。
2〜5%と。
先端が捕まってねじれて折れてしまったり、 
何度の繰り返しねじれて疲れて折れてしまいます。
使い過ぎや力の入れ過ぎが原因です。 
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