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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

15 12月

根管治療 細菌のコントロール その8

まとめ

様々なテーパーのあるニッケルチタン製ファイルの出現は、根管治療の方法を画期的に変えました。
最初にクラウンダウン法を行い、根っこの先を適切なサイズに削るためのスペースを作ります。
そして根管充填前に細菌数を出来るだけ少なくできるように、先端3分の1の根管を拡大します。 

根管充填

根管充填は根管内の細菌数が最少になったと確信できた時に行います。
時間が許すならば歯髄が生きている歯では、初回の時に一回治療でも可能でしょう。
感染した歯髄が死んでいる歯では、貼薬をした次回の治療の時にも可能でしょう。
根管充填した後に、穴を開けた入り口部分の封鎖も必要です。
その目的は、細菌のコントロールによって出来た根管と歯冠部、歯の頭部分のスペースを外部から封鎖する事です。
最適な封鎖が出来たならば、残っている細菌は外から栄養源を得ることは出来ません。
根っこの先の組織から栄養源が入り込む事が出来ないし、外の細菌が再び侵入して増える事も出来ません。

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14 12月

根管治療 細菌のコントロール その7

ニッケルチタン製ファイルによるクラウンダウン法の続きです。

様々なテーパーのファイルができたおかげで、
以前にお話した先の方から徐々に太くしていくステップバック法ではなく、
入り口から根っこの先へ削っていくクラウンダウン法が可能となりました。
 根管に緩くフィットするテーパーのファイルを4ミリ程、先端へと削ります。
と、最初よりも入り口のテーパーが広がります。
 ファイルがかみ込んだら手や機械で回転させて、根っこの先へと進めます。
ファイルは1ミリずつ、根っこの先へと3〜4ミリまで進めていきます。
あまり大きく食い込ませると器具が折れたり、削りカスを押し込んでしまいます。
次に少し小さな号数でおそらく細いテーパーの ファイルに変えて、さらに進めていきます。
細いファイルでは尖端が緩くなっていて、さらに1ミリずつ削る事が可能です。
そうやって少ない本数のファイルで先端まで削れるのです。

 器具の上部だけが根管に当たって、先端がフリーな為に、折れにくいんです。
しかし先端を25番のファイルまでならばクラウンダウン法で容易に行えますが、以前にもお話したように細菌のコントロールには不十分です。
現在の新しいファイルでは先端3分の1部分を更に太くする改良型ステップバック法も簡単に行えます。
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13 12月

根管治療 細菌のコントロール その6

ニッケルチタン製ファイルでのクラウンダウン法

歯の頭の部分をクラウン、歯冠部って言います。
クラウン、上から、入り口から太いサイズの器具で削って、徐々に根っこの先へと進める方法です。

この数年間に根管治療における細菌のコントロールにとって、画期的な幾つかの発明がありました。
最も重要な変化はニッケルチタン製の器具でしょう。
ニッケルチタン製のファイルは大変に柔軟で弾性に富みます。
力を掛けると柔軟に曲がり、力を除くと元の形へと戻ります。

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超弾性、形状記憶です。

この器具の欠点は形を変形させにくい、前もって曲げた形にしにくい点です。
曲げた所から折れやすくもなります。
金属に疲労が起きていても、分からないので折れる前に気が付きにくいのです。
しかし慎重に使用すれば、折れる事は少ないです。

現在はマルテンサイト、グニャグニャに曲がるニッケルチタン製ファイルも有りますし、金属処理法が発展して本当に折れ難くなりましたね。

また様々なテーパーの器具が作られています。
テーパーは尖端から根元までの、太さの度合いです。
以前は2度のものしか有りませんでしたので、前回お話したステップバック法で広げていたんです。

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 2度は1ミリごとに0.02ミリずつ、太くなる。 

ステンレス製ファイルでは刃がある部分、16ミリ、で1ミリごとに0.02ミリ太くなっていて根元では0.32ミリ太くなっています。
02テーパーって言います。
ニッケルチタン製のものでは様々な太さのテーパーが有ります。
太いテーパーのファイルの欠点は 、根管の上の部分が不必要に太く削れてしまう事です。
楔状に削り過ぎると、折れ易くなってしまいます。
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太くファイルは入り口にだけ使用し、尖端に近ずくにしたがって細いテーパーの物にしていきます。 
11 12月

根管治療 細菌のコントロール その5

改良ステップバック法

ステップバック法の欠点を補うために、改良法が考案された。
ステップバック法を最初に行う。
この方法はミス無く、安全な方法なので。
25番のファイルを根っこの先まで届かせて、先端の三分の一を順々に太いサイズに削っていきます。
今度は30号を先端まで届かせて、同じように続けて太くしていきます。 
最初に細いファイルで削ってあるので、太いサイズにしても安全に削る事ができるのです。
太くファイルを先端まで届かせようとしても、削る部分は先端の3〜4ミリだけだからです。 

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ファイルが根管全体に触れていないので削りカスの量が減るし、 
根っこの先へではなくて上の入り口方向に削りカスが出易いです。
この改良ステップバック法は従来法よりも、細菌のコントロールには適しています。



一旦、細いファイルからステップバックして削った後に、もう一度先端のサイズを上げて太いファイルからステップバックしていく。
テーパー、角度の付いた根管になっているので、ワンサイズ上げたファイルを尖端まで届かせるのにぶつかるのは3〜4ミリの部分だけです。

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左が従来法で右が改良法だそうです。
左は細過ぎですね。 
10 12月

根管治療 細菌のコントロール その4

ステップバック法の続きです。

細いファイルは、まだ削ってもいない 根っこの先端近くまで届きます。
これでファイルが入り口から先端まで届きました。 
器具操作によって、根管全体に削りカスがたくさん生じます。
次のサイズのファイルのための根管を詰まらせないように、削りカスを取り除かねばなりません。
更に先端が詰まらないように、入り口側に出す必要があります。
ですので10号(0.1ミリ)の細いファイル から始めて、徐々に40や50号(0.5ミリ)の太いサイズになると削りカスが詰まってしまい、長さが短くなって真っ直ぐに削れてしまうんです。

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どっちも歯の組織標本です。
左は縦に割った絵です。
黒いのが神経を削り取るファイルです。
本来の根管よりも、まだ細いですね。
右は横方向に切った、断面図です。
黒いのの周りに削りカスが残っていて、隙間が開いてますね。

この原因は器具の柔軟性が足りないからではなくて、40、50号まで徐々に太くしていく方法に有ります?

ステップバック法はこのように根管治療における感染のコントロールには適していません?

次の項目にステップバック改良法と有りますので、それを勧めているようです。
では、次回に。 
8 12月

根管治療 細菌のコントロール その3

ステンレス製ファイルとステップバック法の続き

ステップバック法はミスし難くて、安全な方法ですが、細菌のコントロールという点からは問題が有る。
細菌数を減少させるには先端の太さが小さ過ぎます。
このために根管が感染している歯では、歯髄が生きている歯よりも15%成功率が低いのです。 

ここは正解がない世界でして、今でも議論のある所です。 
9月号の学会誌からですが、
右の様に50号ってかなり太いサイズまで削っても緑色の削れていない面は同じでした。

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また同じ号に太くすると、折れやすくなりますよ!って研究も出ています。
この本の先生は、以前は比較的太く削る様に歯によって号数を示していました。
今ではその歯によって、それぞれ違うと話されていて、変わられたようです。

 ステンレス製ファイルを曲げて使えますが、太くなると硬くて柔軟性が少なくなります。



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太くファイルで柔軟性がない事が原因となり、削りカスが詰まってしまったり、真っ直ぐに削ってしまったり、エルボーって横に外れて削れたり、穴を開けてしまう事もあります。

これは筆者の私見ですが、この様な失敗は器具の柔軟性がない事が原因ではなく、むしろ根っこの先から入り口の上部に削っていく方法が原因と思います。

?これも 議論の有るところで、ある方法が他の方法よりも治療結果が優れているとは言えません。

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柔軟性のない器具は真っ直ぐに進もうとしますので、本来の根管の方向からずれてステップを作ったり、穴を開けてしまったりし易いんです。
こうなると成功率は半減します。 
7 12月

根管治療 細菌のコントロール その2

歯髄壊死、神経が死んでいる歯

生きた歯髄と違って、歯髄が死んでいる歯では既に根管内は感染しています。
根管内の細菌を取り除く事が細菌のコントロールの目的ですので、無菌的な手技は欠かせません。
感染の除去のためには、機械的な器具操作、抗菌薬による洗浄、次回の来院時までの貼薬を行います。
そして最終的に根管充填によって、取り除けなかった細菌を閉じ込めてしまい治癒を促すのです。 
いかに優れた歯内療法専門医であっても、機械的な器具操作と洗浄によって常に細菌数を最適な状態に減らす事はできません。 
ですから出来るだけ細菌数を減らすために、次回に来院まで1週間以上は根管内に薬剤を入れておきます。

ここは議論が有るところでして、理論的には貼薬をする複数回治療の方が細菌数は減るはずです。
が、治療成績を比べると、一回治療と差がありません。
かえって仮蓋から隙間が開いて、感染の機会が増えてしまったり、
クスリが隅々にまで有効ではなくて 、折角減った細菌が増えてしまう?事なども考えられます。

ステンレス製のファイルとステップバック法

感染した根管の治療方法として、ステンレス製ファイルを用いたステップバック法が以前から行われきました。
25番、先が0.25ミリのファイルを尖端まで届かせます。
次に30号、0.30ミリのファイルを1ミリ短い所まで届かせます。
で、35号をそのまた1ミリ手前に届かせます。
つまり根っこの先から徐々に太いサイズのファイルを1ミリずつ、短い所まで削って角度、テーパーを与えていきます。

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出来たステップをスムーズに取り除き、細い先端から漏斗状に徐々に太く仕上げます。 
6 12月

根管治療 細菌のコントロール その1

根管治療には細菌をコントロールする段階と詰める段階があります。

細菌のコントロール

この段階の治療は機械的な清掃、化学的な清掃、あるいは清掃と形成と表現されます。
このような呼び方は、詰める前に根管内の細菌数を出来るだけ少なくするための方法に関係しているます。
その方法のテクニックが重要なのではなくて、根充前にあらゆる方法を駆使して細菌のいなくする事が大切なのです。
根管充填は、最大限に細菌感染をコントロールした時に行うのです。

ですのでこの段階における根管治療の生物学的な目的とは、根管内の全ての細菌を取り除く事です。
この目的を根っこを過剰に弱める事なく、被せられように行うのです。

歯髄が生きている歯。
生活歯髄では治療前に根管内全てには細菌感染が進んではいませんので、この時の治療原則は簡単です。
治療後に根管を感染させていない事です。
ですから器具の使い方が重要なのではなくて、治療中に厳密な無菌的な手技で行われる事が大切なのです。
無菌的な治療が行われて細菌が全くいないのであれば、出来るだけ早くに根管充填して最終的な詰め物を行うべきです。
もし最適な環境で時間が許すならば、細菌のコントロールと根管充填を一回の治療で行える。
また続けてこの時に修復治療、最終的な詰め物を行う事も可能でしょう。

もし時間が足りなければ、再感染を防止するために根管内に貼薬、仮のクスリを詰めておく。

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この図は歯髄が死んでいる時の治療の流れです。
根管を消毒する3本柱は、機械的な器具操作と消毒液による洗浄と仮に詰めておくクスリ、一般的には水酸化カルシウムの貼薬です。
その後に再感染防止する、あるいは残った細菌を閉じ込めるために、詰めて封鎖する根管充填を行います。 
4 12月

根管治療 定義と成功するために その2

成功に必要なことは?

歯髄が死んでいる根尖性歯周炎では、根管内の細菌がその原因です。
生きた歯髄では根尖性歯周炎は認められず、根管内全部には感染が及んではいない。 
ですので、根管治療後に根管内に細菌がいなくなれば、歯髄が死んでいる歯では根尖性歯周炎が治る。
生きた歯髄の歯では、根尖性歯周炎は起こらない。
実験からこの事は証明されています。
歯髄が生きている歯は、死んでしまって根尖性歯周炎のある歯よりも根管治療の成功率が高くなります。
95%とに対して80%です。

成功率が15%下がるのは、根管の消毒が十分な効果がないからです。 
また根管充填の前に細菌の培養で細菌が見つからなかった歯では、その成功率が90%以上になりました。


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上の表は根っこの先にカゲがある歯と無い歯で治療結果の違いを示しています。
左が無い方で成功率が、右よりも良いですよね。

下の表は細菌培養見つかった方が左で、右は細菌が認められなかった歯。
右の方が良いですね。

でもこれは寒天培養で、半分以上の細菌は寒天には育てられないんです。
また寒天培養の臨床での意義は今では認められません。

もちろん根管内の全て細菌を培養する事はできません。
培養結果でマイナスでも、いくつかの細菌が残っているでしょう。
高い成功率を得られる程度に細菌数を抑えれるなら方法を確立するための、確認するために使用するのが良いでしょう。

まとめ

根管充填の時に残った細菌数が少ない程、より良い治療成績が得られます。
細菌培養試験でマイナスを示すような治療方法が90%以上の成功率を得られるでしょう。 
3 12月

根管治療 定義と成功するためには その1

原則

今までに2つの異なる歯内療法について、お話ししてきました。
生活歯髄療法、神経を全部、あるいは一部分だけ残す治療。
根管治療、生きた、あるいは死んだ歯髄を全部取り除く治療です。

根管治療は以前にお話した不可逆性歯髄炎か歯髄壊死、死んじゃった歯髄と診断された歯に行います。
こらから、この治療方法についてお話ししていきます。
生きた健康な歯髄にも、被せる理由などで根管治療を行う事もあります。

成功するには?

何が成功に関係するのか?
以前にお話したように、根尖性歯周炎,歯髄から根っこの先に炎症が進んだ状態が最も大切な点です。
根管治療の結果、根尖性歯周炎が無くなる事こそが、成功の基準となります。
ですから歯髄が生きているならば、根尖性歯周炎の予防、根尖性歯周炎がない状態を維持する事が治療の目的です。
歯髄が死んでいる歯では既に根尖性歯周炎ができてしまっているので、その成功とはある期間の内に無くなる事です。
一般的には4年間の内に無くなれば、成功となります。

治療時間、利益や治療後の痛みなどは患者さんや歯科医にとっても短期的な治療結果としては簡単に評価できますが、
強調しておきたいのは、長期的な成功の基準は根尖性歯周炎が無くなる事です。

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根管治療の成功
不可逆性歯髄炎の治療後2年目のレントゲン
不十分な治療にもかかわらず、元々生きた歯髄でったので成功した歯。



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死んだ歯髄の治療後
左が治療前、右が2年後 
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