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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

2 5月

外科的な歯内療法 その7

診断のための外科治療

根っこの先の病気の原因は、ほとんどが神経の管の感染で根管治療の適応です。
ほとんどっていうことは、そうじゃない、そっくりの病気があるんです。
怪しい時には、生検、切り取って顕微鏡による組織診断が必要になります。

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ちょっと絵が小さくて見え難いですが、右の術前のレントゲンでは
右下の4、3の間に黒いマン丸のカゲがあります。
で、銀歯の入っていた4、第一小臼歯の神経が死んでいたので、
根管治療を行って3年後が右です。
すっかり無くなっています。

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似ている絵なんですが、
今度は歯には治療跡や虫歯がありませんね。
で、電気などで刺激すると感じます。
神経は生きていましたので、神経が原因ではありません。

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この方も同じような絵です。
やはり神経は生きていました。
でも、今までにガンになった事があるそうで、
外科的に取って組織検査が必要です。




30 4月

外科的な歯内療法 その6

追加?付加的な手術

根っこの先への処置に加えて行う外科治療には、
穿孔、開いちゃった穴を埋める、根っこを一本だけ抜く、歯を半分に割る、歯ぐきを下げてもぐってる歯を出す、歯の再植、一旦抜いて植え戻す、移植、抜いた歯を他の所に移すなど。
そうすれば抜いてインプラントにしなくても、って歯もあります。


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左下の第二小臼歯と第一大臼歯
2本とも17年前に根管治療をされていますが、
カゲが出来てます。
その上に
6番は手前のベロ側の山が折れてしまいました。
ので、半分にして奥側の根っこの半分だけ残して、5番とブリッジにつなげたそうです。
もちろん根っこの再治療をされてます。
28 4月

外科的な歯内療法 その5

普通には取れない詰め物

根っこの中に、時には飛び出ている詰め物でも歯の中から取り除ける物が多い。
これらをみんな外科的に取り除こうとするのは、知識と技術が足りない誤りである。

症状のある歯

痛みや不快感といった歯でも、非外科的な再治療によって症状がなくなるものが多いです。
症状がある歯をみんな外科するのは、誤りです。
しかし非外科的な治療が出来ない歯で症状が続くなら、外科的な治療を行うべきです。

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真ん中に見えてる歯、5番、第二小臼歯の根っこに大きな病気があって、
根っこの先に真っ白に写っているのは折れた器具が。
再根管治療を行い、器具の横のわき道から削ってキレイにして詰めました。
取れなかったんですね。
でも、左下のように治らずにカゲが大きくなってしまい、
外科的な歯内療法が必要となったそうです。
右下が10年後、折れてた器具も取って、根っこの先もスッカリと良くなってますね。






関係ないのですが、このレントゲンで心配なのは、
上の小臼歯って破折、ヒビが多いんです。
この2本の歯の将来には要注意ですね。 
26 4月

外科的な歯内療法 その4

治療での事故
外科的な歯内療法の適応症には、
レッジ、本来の方向でないとこへ段差ができて進まないもの、穿孔、誤って開いた穴、 折れた器具、根管充填が短過ぎるの、多すぎるものなどが挙げられる。
これらの問題は、外科しなくても治療できるものも多いです。

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端っこに写ってる右上の2番、側切歯、
押すたり、たたくと痛い。
根っこの先の真っ白く見えてるのは、折れてる器具ですね。
真ん中のレントゲンで、この器具を取らずに、脇道が作れて尖端までキレイに出来たそうです。
で、右が治療後で、取れなくても痛みが消えれば良いので。

これらの問題を十分な知識と技術もなく、闇雲に外科治療を行うと更に失敗を上塗りするかもしれません。
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真ん中の前歯、1番はぶつけて神経に治療して、治んなくて外科手術を受けたそうです。
短いですね。
で隣の2番も神経の反応が無かったので、神経を取ったそうですが、
真っ直ぐの方へ誤って削ってしまい、外科治療をして欲しいと紹介されました。
普通に再根管治療をして、16年後に何ら問題ないのが右下です。
何でもトラブル症例には、外科すれば良いとは言えないって事ですね、 
25 4月

外科的な歯内療法 その3

前の根管治療を再治療によって、改善できそうであれば、もっと良く出来そうであれば、
外科治療を選ぶべきではない。
根っこが短くて、根っこの先まで全部をキレイに出来なかった時には、
後に外科で根っこの先をたくさん削れないので、
前もってMTAセメントで根管充填をしておいた方が良い。

根っこの先まで到達できなかった、開かなかったからといって、
直ぐに外科治療を予定するのは間違えです。
治療の結果を症状とレントゲンで判断できるまで、待つべきです。
尖まで開かなかなくても、案外とおさまってくれるものです。

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左から
差し歯の根っこに大きな影があります。
再治療をこころみましたが、先っぽまで開きません。
1ヶ月後、残念ながら膿が出てきました。
そこに白く写るポイントを差し込んで撮ったのが、
右真ん中のレントゲンです。
根っこの所から膿が出ていると確認できました。
で、外科治療で根っこの先を前に詰めていた位置まで削りとりました。
下が1年後、5年後です。
黒い影が小さくなって、白く見える骨が出来てきています。

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今度の歯は先がすごく曲がっていて、また先っぽまで削れません。
で、開いた所までをキレイにして詰めました。
右の1年後では、スッカリと良くなっていますね。
安心して、被せる治療を進められますね。

 
23 4月

外科的な歯内療法 その2

切開排膿の続き

血液サラサラの薬を飲んでいたり、血が止まりにくい方でないか?を確認します。
切開する時に注意すべき場所は、
オトガイ孔、下唇の下のとこ、上顎洞、上の奥歯近くの副鼻腔、切歯孔、上の前歯の裏側、下顎管、下顎の奥にある神経血管の管などです。
これらに注意せずに、よく問診せずに行うと、ひどい出血や麻痺を起こしかねません。

膿を出し続ける時には、ラバーダムのゴムを縁に縫っておきます。
傷がふさがらないようにです。
縫っておかないと直ぐに取れてしまったり、中に入り込んでしまいます。
それが感染源にもなるので、数日後にはラバーを取り除きます。

根っこの手術

根っこの手術の適応症
手術を行うのは、
根っこの治療が失敗した、治療中にトラブルが起きた、普通には取り除けない障害物がある、上からの治療ではキレイにできない複雑な形で難しいもの、再根管治療しても症状が治らない歯、
あるいは追加的に手術が必要な歯、診断のための手術もあります。

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これも血が見えるので、白黒にしてあります。




53才の女性、左の真ん中の差し歯の歯ぐきが腫れて、膿が出てくる。
白く見えるのが前の根管治療後で、根っこの先までピッタリと入ってます。
2番目の絵が歯周ポケットが真ん中部分で深くて、そこから膿が出ています。
で、再根管治療を行いましたが、シーラー、セメントが根っこの外に広がっています。
先っぽの先端だけでなく、縦に広がっているのに、おかしいとヒビを疑ったそうです。
で、右がヒビが入っているのかを確かめるために歯ぐきを開いて、
根っこの縦にヒビが見つかりました。
この歯は抜くしかありませんね。




 
22 4月

外科的な歯内療法 その1

切開、排膿

切って膿を出すって意味です。
切開、排膿でのミスには
麻酔が充分に効いていない、あるいは切り方が適切でないことがあります。
外科治療に際して、麻酔が適切に効いているのが基本です。
炎症がひどくて急性の膿瘍、痛くて膿んでいる時に限って、
麻酔効かないんです。
なので周りに麻酔するだけでなく、神経の大元に伝達麻酔が必要になったりします。
触ったり、押すと酷く痛い時には、骨の中に直接麻酔したり、歯根膜にへの麻酔が有効です。
時には笑気麻酔、ガスのです、あるいは静脈鎮静、点滴のです、が必要になります。
皮膚や粘膜の表面の痛みを和らげるのに、エチルクロライド、冷たいスプレーをかける方法もあります。
十分に効かずに切開をして、痛い思いをさせてしまうミスが多いんです。

十分に効いた後に、縦に切開します。
縦に切ることで太い血管、神経の方向と一致しているので傷つける危険が減り、ハンコンも小さくなります。
横に切ると、ハンコン、切った跡が残りやすいです。

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根元にある水ぶくれを切開して膿を出しています。
根管治療によって,神経から膿が出れば必ずしも切開は要りません。 
21 4月

レントゲンでのミス その3

CBCTは外科治療には、必須です。
表面の骨の厚み、中の骨の状態、骨に穴が開いてるとか、アゴの骨の形、根っこの傾き具合とか。
しかしCBCTの特に三次元イメージ画像には、要注意です。

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血が出ている絵なんで、
白黒にしました。
左のCTでは根っこの先に穴が開いていて、骨から出ているように見えます。
右は実際の手術の絵で、表面の骨は残っていて根っこの先は見えてません。
もちろん骨の中にまん丸く見えてる病気はあるんですが、
表面の薄い骨などは無いように見えてしいまう事があるんです。
 
CBCTによって沢山のものが分かります。
根っこの形、神経の数、神経が枝分かれしている、くっ付いてるとか、前の時に見逃している神経など。
いつものレントゲンで角度を付けて斜めで撮っても、見つからない物が見えてきます。

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上から治療の経過ですね。
左上の奥歯の感染症状が続いていたそうです。
左の6、7ともに根管治療をされていますが、根っこの先にカゲがあります。
真ん中のCTで横から見た画像ですと、7番の病気の方が大きいようです。
上から見た断面では、両方とも4番目の神経の治療がされていないようです。
患者さんは7が犯人と思ったので、抜くことを希望されたそうです。
が、左上の写真のように3週間後に瘻孔、膿が出てきました。
で、6番の再根管治療を希望されて、見逃していた神経を含めてキレイにされました。
下が治療後で6ヶ月後で、すっかり治ったそうです。 
19 4月

レントゲンでのミス その2

上の奥歯では、根っ子に上顎洞、鼻の一部、や頬骨が重なって写ってしまい、見えにくいんです。
CBCTでは1ミリ以下の厚みで、そこだけをハムみたいに切り取っていろんな方向から見られるんで、
重なりません。
下の奥歯では下顎管、下顎の太い神経と血管の入った管やその出口、オトガイ孔との位置関係がCTでは正確に分かります。


怪しいサインを見逃してしまうミスも起こりえます。
CTではハッキリと問題点が分かり易いんです。

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左上のいつものレントゲンで、矢印部分がボヤっと暗くなってます。
根っこの先では無いし?
穴が開いてるようにも見えません。
前の根管治療は不十分で当然汚れてますので、 側枝、神経の枝がそこに有るのかなぁ?と思いました。
歯周ポケットがそこだけ急に深くなっています。
しかも歯の間でなくて頬とベロの所。
で、CTで見ると、
黒い線が横に入ってますよね。
ヒビが原因で、折れていたんですね!
なるほど! 
残念ながら、この歯は抜くしかないです。 
18 4月

レントゲンでのミス その1

いつものレントゲンは、立体的な物を平面的に見ています。
三次元を二次元にしているんです。
なので平行に撮影しても、変形したり、他の像が重なって見えてしまいます。 

歯内療法での外科手術には、CBCTを見ての計画が欠かせません。 
三次元に立体的に判断でき、骨のわずかな変化も見ら事ができます。
根っこの先の診断には、CBCTは大変に重要となっています。
CBCTではハムみたいに見たい所を切り取って見れるので、
特に奥歯の診断時に、前後に有る重なる物をどかして見れるんです。

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左下の5番、第二小臼歯が根管治療後も痛みが続いています。
左のいつものレントゲンでは、一番端っこの歯です。
白く見える物が、先から飛び出しています。
左下のパノラマ、グルっと回って撮るレントゲンでも、
下アゴの神経の大元、黒い管近くまで飛び出しています。
右の上下がCTで、丸い黒く見えるのが神経です。
そこにまで突き出てしまったようですね。 
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