その治療には、証拠があるのか?
って、話?
でも、学べば学ぶ程、
眼の前の患者さんに役立つのか?
良く分からなくなります。
この本から
例えばフロスについて、
コクラン.レビューから
総合的なまとめ論文をみてみよう。
その結論では、
12の研究から
歯ブラシだけと比べて、
フロスを追加した方が
歯肉炎が少なくなるとある程度いえる。
10の研究では、
フロスを追加して1,3ヶ月の時点で
わずかにプラークが減るかもしれない
と、いった弱いあまり信頼できない証拠がある。
フロスを追加して
虫歯予防に効果があったという研究は一つもなかった!
この結果から、あなたはフロスをやめますか?
この論文によると、、、、
このブログでも
ある論文を利用して、科学的に証明されているかのように書いていますが、、、
ある一つの論文から分かる事って、ホントか?どうか?は分かりません。
多くの優れた論文を集めて、まとめてみて、
初めて、どうもこうらしい?と証明されます。
権威があるものとして、コクラン・レビューがあります。
世界中のボランティアが、一般の方にも分かるように、
そのコクランのマークにもなっている
早産の危険がある妊婦へ、
ステロイドを投与すると
赤ちゃんの呼吸不全を予防できるのか?
ザックリというと、
横棒がそれぞれの研究結果、
真ん中の縦棒が効果なし、中間点で
左によると効果あり
右によると効果なし、あるいは逆効果
横棒の幅が、結果のばらつきで、
真中の縦棒にまたがると、その結果は50・50で差があるとは言えない。
1972〜1982年までの上の棒、7つの研究では結果がバラバラ
真ん中の縦棒に5つの研究はかかっていて、効果があるとはいえない。
その後1989年までに5つの研究がされた結果、
有効性は証明された。
それぞれの違った論文が集められて、初めてその効果が証明された。
論文の結果通りに、実際の治療は行われないが
患者さんの希望に対応するためにも、
どこまでが真実で、どれは未だ分かっていないのか?
ぐらいは、知っておかねば。
おとなの教養
池上 彰さんの本「おとなの教養」を読んで。
私は歯学部入学時の教養課程が大変に不満でした。
医学を学びに来たのに、
また数学や物理、心理学やら高校の延長のような授業にガッカリしました。
サボってテニスの壁打ちやら、名画座でだらだらと過ごした2年間でした。
今になって思えば
もったいない!、学費を苦労してかき集めてくれた両親に申訳ない。
この本のマサチューセッツ工科大学の言葉に、目が覚めました。
今更、遅いのですが、、、、
「マサチューセッツ工科大学は、科学技術の最先端の研究をしています。
当然、学生にも最先端のことを教えるのですが、
最先端の科学をいくら教えても、世の中に出ていくと、
世の中の進歩は速いものだから、だいたい4年で陳腐化してしまう。
そうするとまた勉強し直さなければいけない。
そんな4年で古くなるようなものを大学で教えてもしようがない。
そうではなく、社会に出て新しいものが出てきても、
それを吸収し、あるいは自ら新しいものをつくり出していく、
そういうスキルを大学で教えるべきでしょう」
そうだったのか!自らの教養の無さに納得しても、、、仕方がないんだけど。
HIV検査を行なったとしても、ほとんど何も得られません。
検査結果が陽性でも、患者が実際に感染しているよりも、
検査が間違っている可能性のほうが高いのです。
もし擬陽性率(実際には病気がなくても、検査は陽性となる)が1%に上がり、
有病率( ある時点において病気にかかっている患者の割合)が0.05%にまで下がったら、
陽性という判定が実際に正しい確率はわずか5%しかありません。
つまり、この場合は95%の割合で検査結果が間違っているのです。
コワ〜〜い話ですね。
だから患者をよくよく診察し、事前知識を得て
適切な検査をしましょう
って話なんですが、
そこには直感が大切なんだと!いう事です。
EBM って、ご存知でしょうか?
医者の経験やカンで治療を行うのではなく
証拠に基づいた医療?
って、感じでしょうか。
その治療の根拠となる研究は?
論文無き行為は、許されない!
なんて、勘違いしてました。
医者、歯医者、薬剤師、看護師、整体師、保険屋さんといった集まりでした。
●先ずは論文から、新薬には旧薬💊と比べて有効性に差が無かった。
と、いうエビデンス、科学的な証拠が出て
●場面設定は、
中規模の病院の薬剤師さんで、
経営陣から薬の種類を減らして欲しい依頼
●昨年度はこの新薬は、たった8人だけに使用
●でも、旧薬は飲み薬、新薬は点滴薬
救急部からは、絶対に使うと、反対意見
●近くに紹介している大病院あり
で、どうするの?
場面設定からして、当然この新薬はカット
と、なるアラスジなのかと思いきや
全部のグループでこの新薬は残したいと、、、
そんな簡単に紹介しては、相手の病院や患者さんにも迷惑?
薬を飲めない方への対応が難しくなる?
他を削減出来るはず?
薬を使った分のみ支払いし、返品を?
とか、現実の対応策は、論文とはかけ離れた物に
論文=正しい治療では、ない事を思知らされました。
これは、私の言葉でありませんよ!
糖尿病専門医の西田 亙先生の本からです。
こんな事を私が言おうものなら、どんな批判が来るか、、、
いや〜〜、
医師の方がこんなに歯の重要性を説かれているなんて
嬉しい限りです。
是非、糖尿病の方々でなくとも、書店で手に取ってみて欲しいです。
ただし、何点か私は違うんでは?と思う所があります。
●マッサージのために、専用の歯ブラシを使っている?
マッサージの効果を示す論文を引用されていますが、
歯ぐきをマッサージすると、自然に根元の汚れも取れてしまったのでは?
マッサージが悪いとは思いませんが、
あくまでも歯についた細菌の塊、
西田先生のいう歯クソを取り除く事が一番です。
●アパガードを勧めておられます。
世界的に見て、虫歯が少なくなった最大の要因はフッ素です。
フッ素の入っていない歯磨き粉なんて、あり得ません。
ちなみにショウヨウも入っいません。
自分の体で実験をされるのは、時間もお金もムタなのでは?
若輩者が失礼しました。
公衆への虫歯予防が失敗に終わる事を
下の絵が例えている。
医者は川岸で
川を渡ろうとして橋から落ちてくる人が
助けを求めて叫ぶのを待っている。
医者は川に飛込み彼を救う。
また続けて助けを求める人が落ちてくる。
医者はまた飛込み、助け出す。
1人では無理なので、仲間集め、機械も用意した。
それでも間に合わず、
チームでどんどんとスピードアップを図り、最新の機械を購入した。
沢山の人が落ちてくるので、重症になる前に救い出せない人もいた。
どうやったら救えるんだろう?と悩み
医者は水泳🏊を教えることにした。
健康教育である。
救助に水泳指導にと医者は忙しいくて、
彼はなぜこの人達が川に落ちてくるのか
その原因を考える時間がなかった。
誰が彼らを押すのか?
もし医者が本来の原因は壊れた橋にある事に気がつけば、
橋桁を直せばいいことに気がついただろう。
健康プロモーションにより、
橋から人が落ちないようする、
あるいは川幅を狭くすれば、
例え泳げなくとも助かるだろう。
歯医者は落ちた人をどうやって完璧に助け出すのか、といった考えではなく
人々を川へと押す食料品や飲料水メーカーへの働きかけといった、
もっと上流での活動に力を注ぐべきである。
歯科医は政治家等に働きかけ
不健康な行動をすることの方が難しいようになるような
規則を作るべきである。
健康的な選択の方がより簡単になるようにする事が効果的で、
健康に直接被害を及ぼすような、
人々をおとしめる活動をコントロールできる。
歯医者は下流での活動である
歯ブラシや食事指導、フッ素塗布などを止める必要はないが、
中流での健康プロモーション活動でさえ、限界があるのに気づくべきだ。
もっと上流での働きかけ、
不健康であるより健康の方が選び易くなるよう適切な規則を作る事が
人々の健康へ大きく寄与でるです。