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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

8 12月

根管治療 細菌のコントロール その3

ステンレス製ファイルとステップバック法の続き

ステップバック法はミスし難くて、安全な方法ですが、細菌のコントロールという点からは問題が有る。
細菌数を減少させるには先端の太さが小さ過ぎます。
このために根管が感染している歯では、歯髄が生きている歯よりも15%成功率が低いのです。 

ここは正解がない世界でして、今でも議論のある所です。 
9月号の学会誌からですが、
右の様に50号ってかなり太いサイズまで削っても緑色の削れていない面は同じでした。

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また同じ号に太くすると、折れやすくなりますよ!って研究も出ています。
この本の先生は、以前は比較的太く削る様に歯によって号数を示していました。
今ではその歯によって、それぞれ違うと話されていて、変わられたようです。

 ステンレス製ファイルを曲げて使えますが、太くなると硬くて柔軟性が少なくなります。



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太くファイルで柔軟性がない事が原因となり、削りカスが詰まってしまったり、真っ直ぐに削ってしまったり、エルボーって横に外れて削れたり、穴を開けてしまう事もあります。

これは筆者の私見ですが、この様な失敗は器具の柔軟性がない事が原因ではなく、むしろ根っこの先から入り口の上部に削っていく方法が原因と思います。

?これも 議論の有るところで、ある方法が他の方法よりも治療結果が優れているとは言えません。

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柔軟性のない器具は真っ直ぐに進もうとしますので、本来の根管の方向からずれてステップを作ったり、穴を開けてしまったりし易いんです。
こうなると成功率は半減します。 
7 12月

根管治療 細菌のコントロール その2

歯髄壊死、神経が死んでいる歯

生きた歯髄と違って、歯髄が死んでいる歯では既に根管内は感染しています。
根管内の細菌を取り除く事が細菌のコントロールの目的ですので、無菌的な手技は欠かせません。
感染の除去のためには、機械的な器具操作、抗菌薬による洗浄、次回の来院時までの貼薬を行います。
そして最終的に根管充填によって、取り除けなかった細菌を閉じ込めてしまい治癒を促すのです。 
いかに優れた歯内療法専門医であっても、機械的な器具操作と洗浄によって常に細菌数を最適な状態に減らす事はできません。 
ですから出来るだけ細菌数を減らすために、次回に来院まで1週間以上は根管内に薬剤を入れておきます。

ここは議論が有るところでして、理論的には貼薬をする複数回治療の方が細菌数は減るはずです。
が、治療成績を比べると、一回治療と差がありません。
かえって仮蓋から隙間が開いて、感染の機会が増えてしまったり、
クスリが隅々にまで有効ではなくて 、折角減った細菌が増えてしまう?事なども考えられます。

ステンレス製のファイルとステップバック法

感染した根管の治療方法として、ステンレス製ファイルを用いたステップバック法が以前から行われきました。
25番、先が0.25ミリのファイルを尖端まで届かせます。
次に30号、0.30ミリのファイルを1ミリ短い所まで届かせます。
で、35号をそのまた1ミリ手前に届かせます。
つまり根っこの先から徐々に太いサイズのファイルを1ミリずつ、短い所まで削って角度、テーパーを与えていきます。

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出来たステップをスムーズに取り除き、細い先端から漏斗状に徐々に太く仕上げます。 
6 12月

根管治療 細菌のコントロール その1

根管治療には細菌をコントロールする段階と詰める段階があります。

細菌のコントロール

この段階の治療は機械的な清掃、化学的な清掃、あるいは清掃と形成と表現されます。
このような呼び方は、詰める前に根管内の細菌数を出来るだけ少なくするための方法に関係しているます。
その方法のテクニックが重要なのではなくて、根充前にあらゆる方法を駆使して細菌のいなくする事が大切なのです。
根管充填は、最大限に細菌感染をコントロールした時に行うのです。

ですのでこの段階における根管治療の生物学的な目的とは、根管内の全ての細菌を取り除く事です。
この目的を根っこを過剰に弱める事なく、被せられように行うのです。

歯髄が生きている歯。
生活歯髄では治療前に根管内全てには細菌感染が進んではいませんので、この時の治療原則は簡単です。
治療後に根管を感染させていない事です。
ですから器具の使い方が重要なのではなくて、治療中に厳密な無菌的な手技で行われる事が大切なのです。
無菌的な治療が行われて細菌が全くいないのであれば、出来るだけ早くに根管充填して最終的な詰め物を行うべきです。
もし最適な環境で時間が許すならば、細菌のコントロールと根管充填を一回の治療で行える。
また続けてこの時に修復治療、最終的な詰め物を行う事も可能でしょう。

もし時間が足りなければ、再感染を防止するために根管内に貼薬、仮のクスリを詰めておく。

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この図は歯髄が死んでいる時の治療の流れです。
根管を消毒する3本柱は、機械的な器具操作と消毒液による洗浄と仮に詰めておくクスリ、一般的には水酸化カルシウムの貼薬です。
その後に再感染防止する、あるいは残った細菌を閉じ込めるために、詰めて封鎖する根管充填を行います。 
4 12月

根管治療 定義と成功するために その2

成功に必要なことは?

歯髄が死んでいる根尖性歯周炎では、根管内の細菌がその原因です。
生きた歯髄では根尖性歯周炎は認められず、根管内全部には感染が及んではいない。 
ですので、根管治療後に根管内に細菌がいなくなれば、歯髄が死んでいる歯では根尖性歯周炎が治る。
生きた歯髄の歯では、根尖性歯周炎は起こらない。
実験からこの事は証明されています。
歯髄が生きている歯は、死んでしまって根尖性歯周炎のある歯よりも根管治療の成功率が高くなります。
95%とに対して80%です。

成功率が15%下がるのは、根管の消毒が十分な効果がないからです。 
また根管充填の前に細菌の培養で細菌が見つからなかった歯では、その成功率が90%以上になりました。


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上の表は根っこの先にカゲがある歯と無い歯で治療結果の違いを示しています。
左が無い方で成功率が、右よりも良いですよね。

下の表は細菌培養見つかった方が左で、右は細菌が認められなかった歯。
右の方が良いですね。

でもこれは寒天培養で、半分以上の細菌は寒天には育てられないんです。
また寒天培養の臨床での意義は今では認められません。

もちろん根管内の全て細菌を培養する事はできません。
培養結果でマイナスでも、いくつかの細菌が残っているでしょう。
高い成功率を得られる程度に細菌数を抑えれるなら方法を確立するための、確認するために使用するのが良いでしょう。

まとめ

根管充填の時に残った細菌数が少ない程、より良い治療成績が得られます。
細菌培養試験でマイナスを示すような治療方法が90%以上の成功率を得られるでしょう。 
3 12月

根管治療 定義と成功するためには その1

原則

今までに2つの異なる歯内療法について、お話ししてきました。
生活歯髄療法、神経を全部、あるいは一部分だけ残す治療。
根管治療、生きた、あるいは死んだ歯髄を全部取り除く治療です。

根管治療は以前にお話した不可逆性歯髄炎か歯髄壊死、死んじゃった歯髄と診断された歯に行います。
こらから、この治療方法についてお話ししていきます。
生きた健康な歯髄にも、被せる理由などで根管治療を行う事もあります。

成功するには?

何が成功に関係するのか?
以前にお話したように、根尖性歯周炎,歯髄から根っこの先に炎症が進んだ状態が最も大切な点です。
根管治療の結果、根尖性歯周炎が無くなる事こそが、成功の基準となります。
ですから歯髄が生きているならば、根尖性歯周炎の予防、根尖性歯周炎がない状態を維持する事が治療の目的です。
歯髄が死んでいる歯では既に根尖性歯周炎ができてしまっているので、その成功とはある期間の内に無くなる事です。
一般的には4年間の内に無くなれば、成功となります。

治療時間、利益や治療後の痛みなどは患者さんや歯科医にとっても短期的な治療結果としては簡単に評価できますが、
強調しておきたいのは、長期的な成功の基準は根尖性歯周炎が無くなる事です。

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根管治療の成功
不可逆性歯髄炎の治療後2年目のレントゲン
不十分な治療にもかかわらず、元々生きた歯髄でったので成功した歯。



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死んだ歯髄の治療後
左が治療前、右が2年後 
1 12月

歯内療法 診断 その8

臨床診査

患者さんの症状と診断検査の結果を評価して、歯科医は診断に達して、どの歯が犯人かを見つけます。
ほとんどは、診査によって診断が正しい事を示しでしょう。 
しかし時に診査によって診断が変わる事も有ります。

根っこが完成している歯で歯髄が出た時

完成歯で虫歯を取り除く時に歯髄が出てしまった時、歯髄を残す治療の標準的な方法は有りません。
(この本は2005年の本なので、そう書かれています。
MTAの登場によって完成歯であっても、歯髄を残そうとする治療が確立されてきました。)
本に戻って、
治療の目的は根尖性歯周炎の予防ですので、このような歯では厳密な無菌的な手技で歯髄を取る、抜髄が最も予後が高い方法です。
もしも診査結果から可逆性歯髄炎と診断し、虫歯を取り除く時に歯髄が出た時には診断名を不可逆性歯髄炎と変更すべきです。

今ではここは反対される方が多いと思われます。
確かに抜髄すれば成功率は高く、安心です。
でも一部の歯髄を生きたまま残しておく利点と欠点もあります。
もしかすると痛みや腫れが起きてから、根管治療を行うと成功率が少し、10%程度下がります。
また痛くなくても、歯髄が石灰化してスゴく細くなってしまい、後で根管治療が難しくなってしまう歯もあります。
慎重な検診を継続できるか?って事も治療方法が変わります。

 
30 11月

歯内療法 診断 その7

触診でも歯根膜の炎症状態を診査できます。
でも根っこの先の頬側の部分だけしか調べられないので、限られた情報となりますが。
他の方向の状態を見逃してしまう可能性があります。
触診で痛みが有れば、神経は死んでいます。
根っこの先を表面から触れて痛みを感じるには、頬側の骨に明らかな炎症が起きていないとならないのです。 
しかし、まれに生きた歯髄が知覚過敏を起こしている事があります
その時には不可逆性歯髄炎を意味しています。

レントゲン検査

レントゲンの所見を後の方にしたのは、意味があります。
レントゲンは2次元の白黒写真で、その情報は限られています。
歯科医は診断をあまりにもレントゲンに頼り過ぎています。

歯髄が死んで、根尖性歯周炎があればおそらくは根っこの先にカゲが出来ているかもしれません。
しかし、いつもカゲがあるとは限りません。
可逆性歯髄炎では根っこの先にカゲはできません。
不可逆性歯髄炎では根っこの先を被う白く見える骨の部分、白線が広がっているかもしれません。
でも、いつもではありません。

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左の真ん中の歯では、根っこの先が黒く抜けて見えますよね。
右の写真では詰め物が白く見えていて、黒く見える歯髄に近いですね。
根っこの先の骨の部分が白く見えますね。
硬化性骨炎かもしれません。
本では可逆性歯髄炎の歯だそうです。 
29 11月

歯内療法 診断 その6

試しに削る。

被せ物があって、温度や電気の刺激が出来ない時には効果的な診断検査法はありません。
そんな時には検査のために被せ物に穴を開ける方法しかない。
被せ物に削って象牙質まで達すれば、それ自体で象牙細管の液体の流れを生じて歯髄が生きているのかが分かります。
テスト的に削る方法は正常な歯髄、あるいは可逆性歯髄炎と思われる時に最後の方法としてだけ行うべきです。
その際には十分に水をかけて、優しく行います。

打診、たたいてみる
触診、触ってみる。

打診と触診は歯と骨の間をつなぐ靭帯、歯根膜に炎症があるかを調べるために行われます。
歯根膜に炎症がある時には、歯髄が死んでいる歯がほとんどです。
温度や電気刺激に反応がなく、打診や触診で痛みがあれば、急性の根尖性歯周炎の症状です。

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検査用の鏡の柄で歯を垂直にたたきます。
触ってみて痛くないか?腫れているか?プクプクと水っぽくないか?ペコペコしてないか?

また不可逆性歯髄炎の炎症が急速に歯周組織、歯の外にある周りの歯根膜や骨に広がって、歯髄は死んでしまうでしょう。
歯根膜に炎症があって、歯髄が生きている場合には、根っこの歯髄に炎症が進んでいて、おそらくは不可逆性でしょう。
歯髄が生きていても、打診や触診に過敏に反応する時には不可逆性歯髄炎です。

打診の検査は多くの歯根膜を刺激するように、鏡や金属製の器具の柄で根っこ方向にたたきます。
最も炎症を起こしている場所は根っこの先だからです。
いろんな方向にもたたいて みます。
感覚に過敏な反応が有れば歯根膜に炎症があることを意味しますが、
普通に反応したから炎症が無いとは言えません。
検査には見逃す事が必ず有るからです。
 
27 11月

歯内療法 診断 その5

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暖かい物で刺激する。

疑わしい歯をラバーダムで孤立させて、暖かいお湯で歯の周りを満たします。
新たに暖めたお湯で繰り返し調べます。

現在、温熱検査に効果的な方法はありません。
一番優れた方法はお湯に歯を漬けてみる事です。
先ずは目的の歯列を決めます。
患者さんを横に倒した位置にして、1番奥の歯からラバーダムをかけます。
歯全体がつかるまで、ゆっくりとお湯を注ぎます。
痛みが再現できなければ、もう一本手前の歯にラバーダムをかけ直し新しいお湯を注ぎ繰り返します。
痛みが再現するまで、繰り返します。
寒冷検査と同様に、何度も反応が無い母歯内療法が必要になります?
しかし反応が有ったからといって、歯髄炎が可逆性か?不可逆か?は分かりません。

電気刺激検査

電気で直接的に歯髄の神経を刺激して、生死を調べる方法です。
特に高齢の方などの歯髄が小さくなって、象牙質の中の液体の流れが少なくなった歯に有効です。
寒冷検査と同じ様に、前歯では先端を、奥歯では3分の1の所に先端をあてます。
反応がなければ歯髄の死を、反応が有れば単に生きているという事です。

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どんな検査にも誤差の範囲が有ります。
凄く厳しい基準で行うと、死んでもいない歯を不必要に根管治療を行ってしまいます。
甘すぎると見逃してしまう悪い歯が増えます。
バランスが大切で、数種の検査を合わせて総合的に行いべきです。
迷った時には、待って様子を見る事です。
本当に悪ければ、申し訳ありませんが、確かに症状が強くなり間違えなくこれだ!と明らかになりますので。 
26 11月

歯内療法 診断 その4

温度刺激による検査

温度刺激による検査は、象牙質の管の中の液体が動く事による。
冷たい物や暖かい物を歯に付けると、細管内の液体が動く事によって歯髄の周囲に有るAδ線維が刺激されます。
そうすると鋭い痛みが起こります。
歯髄の炎症が進むと、暖かい物で液体が膨らみ、冷たい物で収縮する事で最も深い部分にあるC線維を刺激します。

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鞘付きのAδ線維は速い(時速100k)、刺すような痛みが
C線維は鞘が無いので、遅い(時速3k)、鈍い痛みを生じます。

冷たい刺激

冷たい刺激には、綿にスプレーをかけて冷えた先を歯にくっ付けてみるか、風をかけてみます。
前歯では先端の3分の1の辺りに、奥歯では手前の山の先端にくっ付けます。
この部分に歯髄の角が近くて、最も神経が豊富な部分だからです。
同じ歯を再度調べる時は、少し時間を置いてから行います。

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反応が無い時には、97%の可能性で一部の歯髄が死んでいる可能性があります。
となると歯内療法が必要となります。

?ここは私の経験とは異なります。
多くの方で反応が無い事が多いですね。冷たいのには。

反応が有れば、歯髄は生きています。
C線維による痛み、深く、鈍い、うづくまるような、ズキズキとした痛みでなければ、
冷たい物に反応があった事から、可逆性か?不可逆性の歯髄炎なのかは分かりません。

 
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