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西葛西 服部歯科医院 (根管治療)

診療時間内では説明が足りなかったことや、お聞きしにくいことを伝えるためにこのブログを作りました。

15 7月

根尖性歯周炎 初めての その6

死んだ神経の中でどうやって細菌は増えるのか?
感染する細菌の種類は、どうやって選ばれるのか? 

死んだ神経の根管は細菌が増えるには理想的な環境です。
湿度だあり、温かくて、栄養分もあり、そして酸素が少ない。
死んだ組織には血管が無いので、身体からの防御機構が働かないのです。
口の中には700種以上の沢山の種類の細菌がいるのに、根管内に住める菌は約10〜20種と限られています。
根管内の細菌種に影響する主な因子は酸素圧、栄養素の種類や量、そして細菌同士による相互の作用です。

根管内で細菌は住みついているのか?

感染が進んでいくと、細菌はバイオフィルム、様々な細菌群が層となって象牙質の壁に張り付いていきます。
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左は弱拡大で、黄色のが歯の象牙質。
真ん中の根管で死んだ神経。
赤い矢印の茶色所を大きくしたのが右の写真です。
赤くて右下の歯にくっ付いているのがバイオフィルム。
左の黒い矢印は泳いでいる、浮遊している細菌群です。



根尖性歯周炎は虫歯や歯周病と同じようにバイオフィルム感染症に分類されます。
根管壁にバイオフィルムとして認めれれるのに加えて、根管内の液体や死んだ神経の中に泳いでいる細菌群もいます。
根管の枝葉や細かな分枝の中にまでも、バイオフィルムが入り込みむと取り除くことはまず?出来なくなりますね。
更に細菌が前回にお話しした象牙細管の中にまで入ってきます。
もう取れません。
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左の写真はDって書いてある黄色のが、根管の象牙質の壁。
RCってのが死んだ神経で、紫のヒモ状に見えるのが細菌。

右の写真の黄色の象牙質の中に黒いスジ状に見えるのが、象牙細管に入り込んだ細菌。

根尖性歯周炎の歯の70〜80%に、象牙細管への感染が起きています。
一般的には浅いところまでにしか入っていませんが、時には0.3ミリまでも入り込んでいる歯もあります。
 
 
14 7月

歯の構造

前回の説明では単語の意味が分かりにくいですよね。
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単純に歯を半分に割って見ると、こんな感じ。
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平面的に半分にすると赤い所が神経で、歯髄って言います。
その周りが象の牙に似ているので、象牙質。
この象牙質を磨いて影をつけて見ると、
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こんなふうにスジが見えてきます。
これが細い管で、象牙細管。
象牙細管な中に神経のフチから手を伸ばしているのが、象牙芽細胞。















DA4332DB-A121-42E1-B603-54A7EA938ED5薄くして染めて顕微鏡で見ると
下の赤い所が象牙質で上側が神経。
どの境目に黒くブドウの様に並んでいるのが
象牙芽細胞で細管内につながっています。
この細胞が象牙質を作りながら、神経の方向に進んでいきます。







もっと大きく
電子顕微鏡で見たイメージ画像では、こんな感じです。
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縦長に並んでいるにが象牙芽細胞で右上方向に突起を伸ばしています。
その突起の入っている管が象牙細管。
左下が神経で、右上が象牙質。

分かります? 
14 7月

根尖性歯周炎 初めての時 その5

初めてなる根尖性歯周炎と再感染では違うのか?

初めての根尖性歯周炎は未治療の歯に起こったもの。
再感染によって根管内に細菌が認めれれるのは、
根管治療中に無菌的な処置がなされていなかった時や 
歯や詰め物が欠けて隙間から感染した時などがある。

怪我でぶつけた歯、でも欠けていないのになぜ感染するの?

欠けていないのにぶつけた歯の神経が死んで、根尖性歯周炎ができる事がある。
どうやって細菌が神経に入り込んだのか?
以前には歯周ポケットから細菌が傷ついた歯根膜、歯の周りの靭帯、の血管を通って 神経に入ると考えられていました。
この説には証拠がありません。
実際には強い力を加えるとヒビができて中の象牙質が露出したり、エナメル質にヒビができます。
一つのヒビでさえ沢山の象牙質にある細い管、象牙細管に通じるのです。
このヒビから細菌が集まってきて、神経への侵入する道となる。
怪我の後でも神経が生きている時には、細菌の侵入を細管内の洗い流す液や抵抗する物質で妨げられているからです。
一方で怪我の結果として神経が死んでしまった時には、細菌の侵入を防衛できずに象牙細管から神経に細菌が通って感染してしまったのです。
 
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13 7月

根尖性歯周炎 初めての その4

神経の炎症の原因には虫歯以外には?
正常な状態では歯の神経と象牙質、
歯の神経には象牙質を作る象牙芽細胞が一番縁に並んでいてその突起を象牙質の管に伸びています、ので象牙質歯髄複合体という離れられない一緒の構造体と考えれれています、
象牙質と神経はその周囲をエナメル質とセメント質に覆われて細菌から隔離、守られている。
それは体の中を皮膚や粘膜が覆い細菌から守っているのと同じである。
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一旦この防御が壊れると、例えば虫歯、怪我による折れたりヒビ、治療により削ったり、歯石取り、歯軋りや歯ブラシによるすり減り、
あるいは元々無かった場合、例えば根元のセメント質が足りなくて隙間ができた、
そのような時には象牙質と神経は口の中に露出する。
虫歯の細菌が襲ってきて、露出した象牙質に唾液が覆いバイオフィルムという細菌の膜、層ができてくる。 
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上の黄色のが歯の象牙質で、下の黒いのが細菌の積もったバイオフィルムです。

どんな原因であっても、根尖性歯周炎ができるには歯の神経が死んでしまう事が必要です。
神経が生きている限り、細菌の侵入して増殖することを防げるのです。
虫歯、怪我、治療行為などによって神経が死んでしまうと、死んだ神経は簡単に感染してしまいます。
死んだ神経は歯の中に閉じ込められた場所のために、体の免疫機構が十分には働かないのです。








 
11 7月

根尖性歯周炎 初めての その3

考察
どうやって虫歯菌が神経を死なせて、根っこの先にまで病気が広がったのか?
虫歯菌はバイオフィルムと呼ばれる様々な細菌が集まって集団を作っている。
流しや水道管のヌルヌルとした汚れが例えにされる。
この虫歯菌を取り除かずにおくと、歯を壊しながら神経へと進行していく。 
神経へと直接に細菌が入り込むずっと前から細菌の作った毒素などが、
象牙細管という細い管を通って伝わり神経に炎症を起こす。
神経まで進むと先程のバイオフィルムを形成して、強い炎症を引き起こす。 
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青く見えるのが歯の象牙質、硬い部分。
真っ赤に見えている所が神経で、丸い血管が広がり沢山の炎症性細胞が点々として見えてます。
左が虫歯菌が神経に入り込んだ穴ですね。

細菌の攻撃が続くと神経は死んでしまい、細菌の侵入に抵抗できなくなる。
最終的には細菌が死んだ神経を埋め尽くす。
治療せずにいると、細菌が侵入し、神経が炎症を起こし徐々に死んでしまって、根っこの先の方へ細菌が入り込み 、総ての神経が死んでしまうまで続いていく。

死んだ神経に集まった細菌は根っこの先にダメージを与え、炎症が広がっていく。
細菌は直接的、間接的な作用で周囲の組織を破壊していく。
細菌毒素が細胞を障害し、周囲組織を破壊する。
細菌を作っている体の部品にも炎症を引き起こし体を防御する作用もあるが、
それによって周囲の組織が めちゃくちゃに破壊されてしまう。
急性の膿の塊、膿瘍って言います、や骨が溶けてしまう事が細菌によって間接的に引き起こされる破壊の良い例です。
このような状態は細菌感染から体を守るために行われた結果なのです。

体は本体の命を守るためには歯や骨を捨ててでも命を守ろうと過剰とも言える防衛反応を示します。 
10 7月

根尖性歯周炎 初回の その2

神経が死んで、根っこの先に病気ができた歯の話。
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診断と治療計画

診断は?
神経が死んで感染した根管による慢性根尖性歯周炎です。
神経が死んだのは詰め物に隙間ができて虫歯が再発したのが原因と思われる。
もしかしたら、虫歯を削る際に誤って神経を傷つけたのかもしれない。 
前回の治療の時に神経はまだ生きていたのかもしれないし、あるいは既に死んでいたのかもしれない。
 生きていたのなら、隙間から神経が感染して死んでしまったんだろう。

この歯の治療は?
根管治療を行い、その後にプラスチックでピッタリと詰める。
欠けり色が変わった所も詰め替える。

根管治療の目標は?
根管治療の目標は根っこの先の組織、根尖歯周組織の健康の維持と修復である。
神経が生きている歯での神経を取る時には根っこの先にまでは最近が侵入していないので、
先っぽは生きていて感染していないので、
感染させない、無菌的な治療が重要となる。
つまりラバーダム、器具の滅菌、新たな細菌を入れてしまう事がないような配慮が1番となる。
ドリルやファイルが差し歯を削る器具と一緒に埃が被って置いてあるなんてナンセンスです。
神経の死が進行して感染し、その結果として根っこの先にまで感染が広がらないようにする事が最も重要です。
一方、神経が既に死んで根っこの先にまで感染が進んでしまった歯では新たな細菌の侵入を防ぐだけでなく、根管内に住み着いた細菌を除去しなければならない。

根管という歯の中に閉じこもり隠れた細菌には体の防衛機構や抗生物質は届かない。
そのために感染した根管を治療できるのは根管治療だけである。

根管治療の理想は総ての細菌を取り除く事ですが、
根管は複雑で、どんな器具や洗浄方法を使っても多くの歯で無菌にすることはできない。
現実的な治療の目標は根っこの先の組織の健康を維持でき得るレベルまで細菌を減らす事です。



 
8 7月

根尖性歯周炎 初回の

目的
根尖性、根っこの先の
歯周炎、歯の周りの組織の炎症、歯を骨につなげて支えている部分の炎症。
根尖性歯周炎は歯の根っこの先の周囲に影響を与え、
その原因は根管内、神経の管への細菌感染である。
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レントゲンで根っこの先が黒く見えます。
右の絵で説明すると、
感染し死んじゃった神経への炎症反応として、骨が溶けて根尖性歯周炎が生じる。
細菌からの毒や刺激に骨は戦えないので吸収して、細菌と戦うために炎症性のお肉に変わります。
そこに免疫細胞が集まって、戦場となっているのが黒くなっている場所です。
これは感染が骨や周囲に広がらないように防ぐためです。

最初に
29才の女性、前歯の詰め物に隙間や色が変わり、やり直したい。
約5年前に詰めた。

主訴
患者さんは上の前歯の見た目が悪い事が気になっていた。
冷たい物や甘い物がしみていた。
かかりつけの歯科医が虫歯をコンポジットレジン、ガラスビーズを混ぜて補強したプラスチックで詰めた。
歯のしみる感じはなくなった。

内科的病気は無い。

歯科治療歴
3年前に定期検診に行った時にはレントゲンを撮らなかった。
その時は食事の指導をされ、炭水化物の質や回数の注意を受けた。

診査結果
顔の表面には異常はない。
中程度の治療された歯が有り、清掃状態は良好だった。
前歯のプラスチックの詰め物は隙間が開き、色も変わっていた。

右上の側切歯、2番が電気や冷たい刺激に反応しなかった。
レントゲンでも2番の根の先が黒くなっていた。
腫れや瘻孔、膿の出口のデキモノはなかった。
2番の詰め物を外したら神経が見えたが、死んでいた。
詰め物の下には虫歯が残っていた。

 
7 7月

穿孔の外科的修理 その3

穿孔、穴が開いちゃった歯の治療の成功を左右するもの。

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穿孔、穴が開くと根管治療の失敗の大きな原因となる。
穿孔を適切に治療できるなければ、歯を失うこととなる。
穴の所からの細菌感染を取り除き、予防する事が治療の鍵となる。
もし周囲の歯周組織、歯を留めている靭帯の歯根膜や骨に吸収が生じているなら、骨との付着が健康的な状態に戻ってくれば成功となる。
影響する点としては、穴が開いた時期から見つけたまでの期間、その場所と大きさ、修理に使用する材料、歯周組織の状態が挙げられる。

穴が開いて直ぐに修理すれば、治る確率が高くなる。
治療が遅れれば、感染する危険が高くなる。
大きな大臼歯に小さな穴である程、治り易い。
歯周組織の破壊や炎症の程度が少なくなるからです。
穴の大きさは更に緊密な封鎖に影響します。 

穴が開いた場所はその結果に最も重要な点である。
骨の一番上の辺り、骨縁には歯周ポケットが近くなり穴と歯周ポケットが交通すると、最も治りが悪い。
分岐部、根が複数ある歯の股の部分、根っこの分かれ目、や上の3分の1に穴が開くと歯周ポケットとつながってしまい、深いポケットができてしまいます。
穴の部分はまた治療するのに到達性、手が届くかにも関係します。
一般的には根っこの先の穴の方が予後が良いです。

使用する材料は封鎖性に優れ、その清潔な環境を維持できるものでないとなりません。
理想的には生体親和性があり、溶けずに、骨やセメント質を誘導し、刺激性がほとんどない事です。

考察
穴を治療せずにおくと、骨との付着が失われて歯を抜かなくてはならないでしょう。
根管の形やその方向などの解剖学的な知識を学ぶ事で穿孔は少なくできるでしょう。
加えて根管への器具操作とポストを掘る操作をやり過ぎない事。

この歯では被せ物を最近したばかりで、機能的にも見た目も良好だったので、外科的修理を選択した。
患者さんは作り直したくなかった。
被せ物とポストを外そうとすれば、残っている歯が弱くなってしまうだろう。
良く見えるようにハグキを開け、穴の正確な位置と状態を確認できる事が重要となる。

IRMセメントは根っこの先に詰める材料として、長く使われている。
研究からIRMセメントは封鎖性、耐久性に優れている事が証明されている。
他にはMRAセメントが使用されている。
MRAは穴の修理に良好な結果が示されている。
この歯の治療結果は良好です。

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6 7月

穿孔の外科的修理 その2

穿孔、誤った所に穴が開いちゃった歯。
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診断と治療計画

根管治療された歯に穿孔をし、膿が出ている慢性根尖性歯周炎。

その原因は?
左上側切歯、2番の根っこの真ん中にポストを掘った時に穴が開き、
そこから細菌が出てきている事が原因です。

穿孔とは?
根管内と歯の外が交通してしまうことで、病的に起こるものと歯医者のミスで起こるものがあります。
穴が開いた場所に細菌が入り込み、歯根膜、歯と骨をつなぐ靭帯、が損傷します。

根っこの穿孔の原因
病的におこるもの
●内側から、あるいは外側からおこる歯根の吸収
●虫歯
●折れた

医原生、歯科医が原因のもの
●神経の部屋に削る際
●ファイルや超音波器具を使用した時に 
●ストリップ、横方向に透けて穴が開いちゃった
●ポストを削る時

治療方法は?
●穿孔の封鎖と供に再根管治療
●原因的に穴を塞ぐ
●抜いてブリッジかインプラントにする

このポストを外そうとすると、歯が折れてしまうかも?
ハグキを開けて外科的な封鎖の方が易しそうです。
また被せ物はそのまま使えます。
 外科での欠点は緊密な封鎖のためには、今の金属製のポストを削って、封鎖のためのスペースが必要となる点です。

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患者さんと相談後、外科が行われた。
麻酔をして、ハグキを開いて、穴の開いた場所を露出した。
周囲の腫れた肉をきれいに取り除いた。
ポストをダイヤモンドのバーで削り取り、ガッタパーチャ、神経の薬を超音波で削った。
穿孔はIRMって言うセメントで詰めて、歯茎を縫って元に戻した。
3日後に糸を取った。 

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 右は一年後のレントゲンで、カゲが小さくなってます。
外科の写真は刺激が強いので、白黒にしてあります。 
4 7月

穿孔の外科的な修理

穿孔、関係ない所に穴が開いちゃった所を外科、メスを使って直すお話。

目的
この患者さんの治療を通して学ぶ事は、以下の内容です。
ポスト、シンボウが根っこから外れて穴が開き、
そこから細菌が侵入して根管治療が失敗となった場合の 治療法を理解する。

最初に
患者さんは最近に被せた左上の側切歯の歯ぐきに瘻孔、膿のできものができた。
どのようにその原因を確認しますか?治療法は?

主訴
6ヶ月前にポストのシンボウ付きの被せ物を付けた。
最近になって腫れてきて、不快感があるが、痛くはない。 

内科的病気はない。

歯科治療歴
定期的に来院しているが、沢山の治療がされていた。

臨床診査
顎の関節に少し音がしていたが、開きにくかったり、痛かったりはない。
顔には異常はない。 

口の中の診査では、治療済みの歯が多い。
虫歯はなくて、治療された歯の形は適切だった。
歯周ポケットから出血する場所がいくつかあったが、深い所はない。

瘻孔、膿の出口が右上の側切歯、2番のハグキにあった。
歯をたたくと少し痛く、ハグキも押すと痛かった。

レントゲンでは根っこの真ん中辺りが黒く見え、ちょうどポストの位置だった。
両隣の歯は電気と冷たい刺激に反応し、神経が生きていた。

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